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悪い思い出に蓋してもダメだなぁ
無職の卒業に向けて、職務経歴書をせっせと書いていた。
経歴の中から自己PRできる要素を洗い出すために、過去を詳細に思い出す作業をしていたら、会社員時代の嫌な思い出が堰を切ったようにワーッと出てきた。嫌な思い出に蓋をしただけでは、何も乗り越えられないんだなぁと思った。
不思議なことに、仕事を辞めるきっかけとなった仕事のことは、あまりよく覚えていない。入社したての頃に一緒に仕事をした人たちのことを、どうしてもどうしても、執着して考えてしまう。どうしてxxしてくれなかったのだろう、が止まらない。あまりに止まらないから、まっしろなメモ帳にワーッと恨み辛みを書く時間が必要だった。
この恨み辛みや執着を手放したら、今度は会社を辞めるきっかけになった人へ悪い執着をして「どうしてxxしてくれなかったんだろう」と思うのだろうか。人を悪者にして自分を正当化したがるのではないか、と自分が怖い。自分自身にほとほと疲れる。
きっとまた仕事をはじめてから、前の仕事に関することを嫌でも無意識に思い出すだろう。そのタイミングで今回のように、嫌な思い出がワーッと出てくるのだろうか…。ぼーっとしてて思い出すならば、自分を肯定したくなるような思い出がいい。
あまりにも嫌なことばかり思い出してしまったから、肝心の作業が進まなかった。自分の心を、自分の思考という名の糸でがんじがらめにして、身動きが取れないような苦しみがあった。本当はこんなことしたくなくて、苦しい過去は「苦しかったね、じゃあね」と手放して、未来のために時間を使いたかった。
脳内をリセットするために、最近開いていなかった音ゲーのアプリを開いたり、果てしなくTwitterをリロードして読んだりしたけど、何の効果もなかった。結局、頭の中がこんがらがった状態は解決しないまま時間だけが過ぎていった。
本当なら楽しむべきゲームやSNSを逃避目的で行ったから、虚無感だけが残った。自分はいったい何をしているんだろう、という気持ちになった。
寝て起きたら頭の中はまぁまぁスッキリしたから良かったけど、また同じ作業をしたら、同じように精神が闇落ちするんじゃないかと少し怖くなっている。それでもまた、嫌な思い出に向き合っていかないといけない。執着してしまうくらい辛い時期は、自分がいちばん仕事を必死に頑張っていた時期でもあるから。
過去を忘れるくらいに圧倒的に今を忙しくしてしまうことが、こういう場合は一番良いのだろう。何もしないことで回復ができると思っていたけど、何もしていないからこそ過去を思い出したら、ワーッと飲み込まれてしまうんだなと思った。一生蓋をできるなら、何もしないことで回復して、蓋をしたことに関することを二度と行わなければ良いのだけど…。
仕事を辞めて少ししたら、忙しい仕事をとっとと見つけて再就職しても良かったのかもしれない。自分が成長している実感のある仕事の忙しさであれば、仕事起因で嫌なことがあって蓋をしたことなら、いつか蓋を開けることがあっても「あ、こんなこともあったな」と笑って思い出に昇華できたと思うから。
いまできることは、悪い思い出をバネにして「負けるもんか!」と頑張ることだけのような気がしている。でも、あまり気乗りしない。この手のモチベーションで行動したときに、達成してから「何のためにこんなことしているんだろう」という虚無感や疲れがドッと来たから経験があるからだ。でも、今はそうする以外に、この状況を打破する方法を思いつかない。視野が狭いだけのような気もするけど、今の自分にはこれ以上分からない…。
悪い思い出に蓋をする対応方法は、対処療法でしかないということをひしひしと感じている。でも蓋しないと精神的に壊れちゃいそうだったから仕方ないんだ。仕方ないけど、蓋しただけじゃ苦しみの繰越にしかならない。苦しくても都度解決したほうが良さそう。
蓋をたくさんして生きてきた気がするから、蓋が一気に開いたら、自分の精神が一度死んでしまいそうで怖い。自覚のない蓋が何かのタイミングで一気に開かないように祈りつつ、職務経歴書を書くための蓋はがんばって開けようと思う。