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社会貢献的な企業理念を存在理由とする経営(事業の成功原則としての和道②)

社会貢献的な企業理念を存在理由とする経営

企業理念は企業の魂

企業は、優れた理念によってはじめて確たる存在価値をもつ加欣体になれる
本物の企業理念は、決して飾り物ではない
実効性のある、最も貴重な経営の資源・財産である
企業理念は企業の魂
企業も理念なくば、魂の抜けた人間同様、生ける屍
壊れるまで自己回転するだけの装置となる

活きた企業理念の8要件

1.目的性
 その企業が何のためにあるのかが示されている
2.倫理性
 社会的正義にかなう高度な価値を目指している
3.指針性
 あらゆる業務活動の判断のよりどころとなる
4.英知性
 守っていけば成功できる知恵を網羅している
5.本望性
 切実な、真の願いに発している
6.共有性
 皆が共に支持することができる
7.永遠性
 末永く追求の対象として魅力を保つ
8.具体性
 観念的・抽象的でなく、実際に達成の道がたどれる

企業理念づくり

企業理念完成の指導プログラム
共通するのは、上記要件に照らして、本物といえる水準の企業理念を完成させること


企業理念欠如の影響

1.志向低迷効果
【理想貧困効果】
  価値ある究極的達成像が欠如する
  根本的進歩への無関心を招き
  現体制の中での欠点改善的目標に終始する
  組織状態・事業活動の質的停滞が起こりやすい
  「従来=本来」という感覚がはびこりやすい
  縄張固定化、革新抵抗、変革遅延
  社会への不適合を招く

【哲学不在効果】
  業務における価値志向が薄弱となる
  疑似理念に盲目的に走る傾向が発生する
  あくなき利益追求・規模拡大
  企業エゴ・迷惑発生的企業活動を招く
  社会の信用・支持の下落
  反発・排除を受ける面をつくる
  企業の寿命を短くする
  人格向上への無関心・無評価の企業風土
  教育訓練も、歯車養成的・表面的となる
  内部人材・後継者の慢性的貧困に悩む状態
  企業の寿命を短くする

2.指針薄弱効果
【尺度不定効果】
  諸判断の根本的なよりどころの欠如
  業務に関する自主判断尺度が欠如
  臨機応変に対処するのが困難な状態が体質化する
  1から10まで言わないと動かない号令型業務の職場ができる
  権限移譲はできにくく、後進育成も不振となる
  トップの胸三寸型の思いつき経営に陥りやすい
  根拠・脈絡・永続性を欠く方針・指示が多くを占める
  指示・計画の不信・軽視の傾向が強まる
  予定・目標などの達成力の弱い企業となる
  部分的にでも一貫性を作ろうとする動きから、勝手によりどころを作る者が現れる
  尺度が混乱する
  一般社員が誰の言うことを当てにするか混乱
  派閥の勃興につながったりする

【路線混乱効果】
  活動の路線が基礎から動揺・風化しがちとなる
  長期的な政策の立案を試みても、土台が長続きせず、無駄になる
  将来対策は後退し、短期利益を偏重する活動内容となる
  個々の企画も目立った出来事に影響されて事が決まる場当たりのものとなる
  累積的活動が困難で、見えない無駄が非常に大きくなる
  仕事に伝統が育たず、品質が低迷する背景の一つになる

3.意識分散効果
【志望交錯効果】
  考え・思惑がいたずらに各人バラバラで推移する
  内部相互の溝が深まる
  合意形成や約束の能力に劣る集団となる
  おのずと諸事対応は遅延し、問題は拡大し、商機を逸することが多くな る
  分裂の表面化忌避のため、事実や本音の論議が敬遠され
  業務への情熱・意欲は減退する
  情報や知恵の集約度の低い駄作が横行し、業績もはかばかしくなくなる

【志向不明効果】
  企業の目指す方向が、少なくとも外部一般の人々にとって不明確
  求人も生活のための職の応募が普通
  給料目的で働く集団となる
  楽で高い報酬を追求するだけの空気
  中小・零細の職場条件のもと
  人材の定着率低迷を免れない
  外部に協力意欲がある人々があっても、積極的に動き出す可能性は冷却化される
  社会一般、人脈の間に応援の空気が生じない事業展開
  利益のみの付き合いであるから、苦しい時ほど人が離れていく


企業理念存在の影響

1.志向高揚効果
【理想追及効果】
  有意義にして遠大、かつ魅力的な究極像の意識化がなされる
  企業の発展に寄与する
  進歩向上の必要意識の常態化
  前進的目標設定の常態化
  積極的意味の「まだまだ、これから」という
  企業の途上期意識、青年期意識が永続的になる
  脱皮革新の当然感が強い
  柔軟な時代適合を果していく

【哲学定着効果】
  深みのある価値観の導入がなされることになる
  真価重視の事業姿勢をもたらす
  ビジネスの品格の向上
  商品の高品質化
  社会の信用と指示の獲得につながる
  人格を重んじる人材扱いが定着する
  資質向上・器量育成の土壌がやしなわれる
  内部人材・後継者充実の背景となる

2.指針安定効果
【尺度公認効果】
  諸判断の根本的なよりどころの確立・公認化がなされる
  自主判断の基準がしっかりし、的確な臨機応変・訓令型業務が可能となる
  権限移譲・後継者育成を促進・円滑化する
  根拠のある筋の通った方針展開がなされる
  計画や指示に説得性があり
  方針・計画・指示などの遵守の姿勢に優れる
  当然目標の達成状態が良くなる

【路線一貫効果】
  企業の基本的性格の安定性・一貫性が確立される
  長期的な政策の有効性を支え、大局的に有利な布石と収穫を可能にする
  見通しと安定性のある経営を可能にする
  系統的な計画立案が可能になる
  諸活動の効率的累積がされる
  固有で高度な特質が形成・蓄積されて、企業の強みとなる

3.意識統合効果
【志望共有効果】
  志望の共有化、意思の共通基盤の充実化がもたらされる
  成員の間で諸事についての認識・姿勢が親和的
  合意形成・結束力に優れた集団になる
  問題解決への敏速な対応・商機獲得につながる
  志向共有性への信頼が、多様な個性・意見を容認・内包する風土をもたらす
  積極議論が促進され、個々が活かされる
  熱意結集・創造性発揮のもととなる

【志向明示効果】
  企業の志向が、外部に対しても公開的に伝達化される
  同志的人材の参集が促進されること
  そうした集団では仕事と生きがいの一致度が高く
  おのずと意欲的・自発的就業が見られ
  人材の定着状態も良好となる
  外部有志の支持力の活性化・方向づけ・有効結集を可能にする
  一般からの協力・支援に恵まれた事業展開がもたらされることとなる


理念費の概念の導入

理念費
商品という形以外で、企業が目指す社会貢献のために利益の中から支出される資金
企業の存在目的である理念達成のために計画的に稼ぎだすもの
本来そのために支出されてこそ意味を持つ

純利益の大部分は、最終的に理念費として使われるべき
【従来の枠組み】
固定費 + 利益 = 粗利 = 売上 ー 原価

【理念的存在の枠組み】
売上 - 原価 = 粗利 = 理念費 + 留保 + 固定費

有効性
内需拡大運動が、単に国民の贅沢奨励に流れないためにも有効
理念費の支出により、企業の加欣体としての存在価値は、より一層向上する
貯欣の蓄積は個人と同じく企業の「徳」を形づくる
金銭的・物的な財の蓄えよりも協力に企業の生命力・危機克服力を支える

「個人理念費支援費」制度
理念費の一部
働きがい高揚の面からも有意義
申告制度によって個人理念支援費の用途と分配希望額を把握
合計を土台に、理念費捻出目標、利益目標、売上目標などをたてる

事業計画を作る
単なる利益向上をうたった計画よりもよほど心情的に納得しやすい
実際にでる個人理念支援費の総額が目標を上回るにせよ下回るにせよ、
多者の互恵分配の方式で各人への割当が調整できる


出典:「和の実学」著者:大和信春 出版:博進堂 はる研究院

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