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与欣と与辛予防の実際(日常生活、ビジネスで役立つ発想集)

与欣の例

  1. 世話をし役に立つこと

    1. 【財物や力を提供する】

      1. 相手が「助かる!」と感じる内容とタイミングで

      2. 困ったとき、辛い立場にあるときの協力は、労力(投欣)あたりの与欣効果が非常に高い

      3. 相手が慣れてしまった親切は、負担の割に与欣効果が減少していく

    2. 【情報、知恵を提供する】

      1. 相手にとっての価値の見極めが重要

    3. 【励まし、元気づける】

      1. 言葉、便り等で行われる、直接性の高い与欣

    4. 【時間を提供する】

      1. 顔を出すだけでたいそう喜ばれることがある

    5. 【忠告する】

      1. 時には忍耐を必要とするが、価値が高い

  2. 尊重し厚遇すること

    1. 【認める】

      1. 立派な人間として認められる場を必要としない人はいない

    2. 【褒める】

      1. 人は誰でも心からの賞賛には飢えている

      2. 参考:D・カーネギー『人を動かす』

    3. 【許可する】

      1. 相手が困っている場合など、通例杓子定規でも済むところを、心づかいで便宜を図るといったことは与欣効果が高い

      2. 一般に権限というものは、制限権としてだけでなく提供権として活かすことができる

      3. 大きな与欣の能力として役立てることができる

  3. 喜び感謝すること

    1. 素直に喜ぶことは、骨折り甲斐としての相手の喜びを強化する

    2. 敵意がないことのサインとして、相手に安心感をもたらす


脱辛の例

  1. 【迅速・率直な謝罪】

    1. 間を置かず謝ること

    2. こちらの無反省(再発)、背く意志、極度の軽視、泣き寝入り等

      1. これらに対する不安と緊張苦の解消を計ることができる

  2. 【迅速・明瞭な寛恕】

    1. 許している、責めていないことを伝える

      1. 責められ続けているという思いによる不快・緊張苦の解消を計れる


与辛予防の例

  1. 【的確・十分な謝礼】

    1. たとえ、してもらったことが有難迷惑でも礼を惜しまない

      1. 相手が「今回については損をした」という印象を持つことを予防する

    2. 自分側の謝礼負担(投欣)と、相手にもたらす満足量(与欣)は別のもの

      1. 「これだけやったから良かろう」といった自己中心評価ではなく

      2. 相手にとって十分の心価があり、自分としてはさほど負担ではない方法を工夫すべき

  2. 【怒らず、恨まず】

    1. 悪感情の制御困難は、精神の不自由にほかならない

  3. 【時間の尊重】

    1. 他人の時間を無駄にしない

      1. 遅刻

        1. 見かけの直接的迷惑が少ない場合も与辛効果が大きいことがある

        2. 時間厳守した人々の相当の努力や心掛けの価値を軽視しているという印象の不快総量

        3. 人数に比例して大きくなる

      2. 会合などの開始・修了時刻の遅延は、参加者の不愉快を合計しただけの恨みを買う

      3. 勝手な訪問をしない

        1. とくに、人を愚痴、泣き言の類の話しの相手にすること

        2. 支持・応援の得られる余地を自ら潰すようなもの

  4. 【馬鹿にせず】

    1. ケチをつけず、悪口を言わず

      1. いずれも、する側のわずかな満足に比べて周囲の不快が大きく勝る

      2. 嫌な顔ができない立場の相手ほど、むしろ大きな苦痛を感じている可能性がある

      3. 朝から晩まで、自分が馬鹿にされなかったどうかを、最大の関心事として暮らしている人々がいることも忘れるべきではない

      4. その意味でも、人を笑い物にする話しに加わらないことも心得ごと

  5. 【羨みを買わず】

    1. 威張らず、見せびらかさず

    2. 多くの日本人は、平等・同等が守られることへの要求が高い

      1. 相手が優れているらしく振る舞うことを「許せない」ほど不快に思う

    3. その半面、自分が優越することを喜ぶ(したがって真に平等を願っているわけではない)

    4. 人がどう思うかを忘れて誇示してしまう

  6. 【素直な応答】

    1. 忠告を非難・攻撃のように聞くと、相手に非常な徒労感を与える


出典:「和の実学」著者:大和信春 出版:博進堂 はる研究院

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