一流は「細部」にこだわる
「三つ星を取れる人とそうでない人の差は、皆が頂点を目指して頑張っている中で、細部にまでとことんこだわれるかが分かれ目だと思います。」
そう語るのは、三つ星レストラン『HAJIME』オーナーシェフの米田肇氏。確かに、重要な部分で差が出るのなら、星の話にすらならないでしょう。みんなが必死になって重要な部分を極めている中で、細部を極め尽くす。そこまで取り組んでこそ、三つ星を狙える射程圏内に入れるのでしょう。
実は子供の頃から料理が好きで、料理人になりたいと考えたこともあります。ご信者さんにオーナーシェフの方がいらっしゃったので、よく話を伺いました。ある時のこと、私はプロと素人の違いは「塩加減」だと思い、質問をしました。すると、こんな答えが返ってきて、とても驚き、感動を覚えたことがあります。
「一般に《塩ひとつまみ》って言いますが、それじゃ多過ぎるんですよね。塩に指をあて、指にくっついた塩で十分。そのレベルで塩加減を調整するんですよ。」
結局、どの世界でも「どんぶり勘定」では絶対に一流にはなれなということ。100点を取る人は、やはり100点を取る勉強を普段からしているものです。70点の勉強を何十年と続けたって、100点が取れるようにはなりません。「あと30点取れないのはなぜか?」と考え、勉強のクオリティを上げていく。そうやって80点の勉強、90点の勉強ができるようになっていくことで、終には100点の勉強ができるようになり、ようやく勝負の舞台に立てるのです。