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的に当たらないのは誰のせい?

弓道には「正射必中(せいしゃひっちゅう)」という教えがあり、正しく射(い)られた矢は必ず的に当たるということ。的は決して動きませんので、もし矢が当たらないとしたら、それは矢の射り方に問題があるという証拠です。そう思うと「的に当てるぞ!」と意気込むよりも、正しく矢を射ることに全集中することが正攻法といえます。

弓道五段の腕前を持つゴディバジャパン社長ジェローム・シュシャン氏は、弓道を経営にも活かしています。社長就任後5年で売り上げを2倍に、そして就任後7年で3倍にまで増やした凄腕の経営者です。シュシャン氏は「そもそも売り上げを5年で2倍にするという目標を掲げたことはありません」「全社員が正しいことをするよう心掛けてきた結果として、売り上げが毎年増加した」と述べた上で、結果を出すための秘訣を、弓道の教えを引用しつつ次のように語っています。

「弓道では的に当たる結果よりも、矢を放ち終わるまでのプロセスを大切にしています。プロセスを正しく行えば結果は必ずついてくる。ビジネスも同じで売り上げ目標やノルマだけを考えると、気を取られて上手くいかない。」

結果にこだわるのはプロとして当然ですが、それがために「今なすべきこと」が見えなくなっては本末転倒。結果を出すためには、それだけの原因が必要であり、その原因を積み上げるプロセスを歩まないといけません。何事も「千里の道も一歩から」ですが、何のあてもなく、ただ歩き始めればいいというものではないのです。きちんとゴールを明確にして、そのゴールにたどり着くための道順を1つずつ確かめておく必要があります。あとは正しいフォームで、正しい道順で、毎日コツコツと歩み続けることができれば必ず結果に繋がるのです。

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