ポルノグラフィティがくれた「好きでよかった」と言える瞬間
ROCK IN JAPAN FES.でのポルノグラフィティが最高だったので、私のポルノ歴と共にちょっと語らせてください。
今年で最後にしよう、と思いつつ、なんだかんだでここ10年は毎年行っているロッキン。
2019年は初日だけ行く予定だったのだけれど、出演アーティストの最終発表で
ポルノグラフィティの名前があったので滑り込みで最終日のチケットも取った。
ポルノの曲を初めて聴いたのは音楽番組HEY! HEY! HEY!だった。金髪のオニイチャンが額の血管を膨らませながら歌っている姿が印象的で、一緒に観ていた妹と一緒に「大丈夫かな、この人。歌っている最中に倒れたりしないかな」などと言っていたのが懐かしい。
後日、クラスメイトと会話の中でポルノの話をしたら
「実は私、ファンで!」
と一人が鼻息荒く言い出した。ポルノ目当てでライブハウスに通っているのだという。「昨日やっていた曲いいね」と言うと「他の曲も聞いて!」と翌日にはデモテープとして当時販売されていたものをカセットテープにダビングしたものをくれた。
(年代がバレるけども、カセットテープとMDを両方使っていた世代だった)
今もライブの定番曲である『ジレンマ』とかも入っていた、確か。テープをくれた彼女は今頃どうしているんだろう、と時々思い出す。
そこから、なんとなくずっと聴いていたのがポルノだった。CDが出れば毎度買っていた。
ライブに行くようになったのはずっとあとで『8th LIVE CIRCUIT "OPEN MUSIC CABINET"』が初参戦だった。
ビギナーズラック、というか、席がとてもよかった。アリーナ席、前から10列目台、センター正面。1曲目で、歌声と音で殴られた。
かっこいい、好き。
たぶん、本当にハマッたのはこののライブだったのだと思う。
それからは、学生時代からの友人が同時期にファンだということもあって、そライブツアーには毎回参戦するようになって今に至る。
単純に彼らの曲が好きで、ポルノの2人も好きだ(しかしアキヒトさん推しではあるんだけども……)。シンプルに彼らの曲がなかったら毎日がつまらないし、新譜がリリースされたらテレビに出てほしいし、ライブやるっていうなら観に行かなきゃ気が済まない。だって最高のプレイと景色を体験させてくれるのに行かないなんてもったいない。
ポルノは近年になって野外フェスにも参加するようになったのだけれど、屋内型のフェスはちょこちょこ出ていて、初めて観たのはテレビ朝日主催のドリームフェスティバル。
2012年で大トリで出たときはなんというかもう、震えた。
「好きな人たちがこんなにたくさんの人を沸かせるんだ!」って実感できる。ドリフェスは屋内型のフェスで、フェスと言っても基本出演するアーティストはまんべんなく聴く感じなので、会場内にはもちろんポルノファンじゃない人もいる。その人たちのテンションを無条件でブチ上げて、大満足させて帰るのってマジでかっこいい! 最高! 好き! ってなれる。
そんな彼らをロッキンで一番大きいステージ、GRASS STAGEで観られたらたまらんだろうなあ、そんな観たら泣いちゃうだろうなあ。
大型ロックフェスだとモンスターバッシュに出てたけど(あと所属事務所アミューズ主催のフェス)、なんというか、ロッキンにポルノが出るっていうのはちょっと違うっていうのは分かる気がするもんな。でも観てみたいっていうのは変わらんなあ。
……と思っていたのに、出演が実現したのが2017年のロッキンだった。
なんだろう、ロッキンってアイドルも出ているけど(ももクロちゃんとか欅坂とかモー娘。とか)、J-POP界隈の人があんまり出るイメージがなくて。
あと、個人的に20代前半のころに邦ロック好きな人に「ポルノが好き」って言ったら失笑を食らったことがあってあんまり大っぴらに言えないところもあって。今なら好きなものは好きって胸張って言えるようになったんだけど、ちょっと邦ロック好きな人には否定されがちだったのが、ね。ポルノグラフィティってカッコイイんですよ??? って言っても伝わらねえ、 『サウダージ』とか歌ってた人だよね?フフフ、ぐらいになるの超悔しいんですけどね。私のプレゼン能力が高かったならば……(がんばれ)。
そんなこんなで、ロッキンでGRASS STAGEでのポルノってどうなんだろう? って心配だったんだけど、全くの杞憂だった。
大画面に映る、人、人、人。泣きながら拳を突き上げていたのをよく覚えてる。やべえ、めちゃくちゃ誇らしい。テンション上がり過ぎて、終わったあとに頭痛に苦しんだ。軽い熱中症になったけど悔いはない……!
そして、今年のロッキン。
ポルノの前に出演していたエレカシ終了直後には前方がそこそこ埋まっていた。最終日のGRASS STAGEってスキマスイッチ、モンパチ、エレカシ、スカパラ、ポルノ、スピッツ、Dragon Ashだったから年代的にはまとまっているというか、他のアーティスト目当てでもポルノ出るなら聴いてみるか、ってなるよなー、と思いつつ、人波かきわけて比較的前方を陣取る。
西日がめちゃくちゃ暑い。普段ならこの時間帯に絶対GRASSの前方で聴いたりしない。暑いし、待っている間に力尽きる。根性なしの私だけど、好きのためならがんばれる。というか期待がでかすぎて暑さが気にならなくなってきたぐらい。
ソワソワして待ちに待った15時半。
OP映像が流れ始める。これがめちゃくちゃカッコイイ。
クラップの中、2人がステージ上に現れて大歓声。大画面に映るのはGRASS STAGEにたくさんの人。
くあーーやばいーー!! 人いっぱい!! みんな!最後まで聴いてってね!!(心の声)
『メリッサ』から始まり、ヒット曲と最近のシングルを含めた珠玉のセットリスト。中盤にやった『カメレオン・レンズ』と『Zombies are standing out』はawaとかLINE musicでも聴けるから検索してくれよな!! という気持ちです。
途中のMCで、アキヒトさんが「ロッキンは場違いだと思っていた」「でも2017年に出演したときに、若いアーティストが昔コピーバンドをやっていたって言いにきてくれたりして嬉しかった」って話をしていた。
今年で20周年。若いころにポルノに影響を受けて今第一線で活躍しているアーティストもいるぐらいになっているんだろうけど、実はそういうのが本人たちに届いていなかったりするから、本当にありがとうロッキン……(?)
『サウダージ』の曲前にも「みなさんももしかしたら1回ぐらい聴いたことがあるかもしれない」(アキヒトさん)って言っていたけど、なんというか、最近のポルノは謙虚というか。東京ドーム公演に関しても「友達25人ぐらいお誘いあわせの上で来てもらえると」なんて言って埋まるか心配していたし(結局SOLD OUTしている)。
『ハネウマライダー』の間奏のときに「見てこの景色!すごいよ!新藤見て!」って言うアキヒトさんに、ハルイチさんが目を合わせて笑ったときには思わず拝んだ、たぶんあの場にいたポルノファンはみんな拝んだ。ポルノが見た光景も最高にハッピーだったし、ポルノがその光景を見ているところに立ち会えてハッピーだった。最高、ありがとう。
「この人たちの曲を好きで、この人たちを好きでよかった」と思わせてもらえることはない。
この人たちを好きでよかったという瞬間をくれてありがとう。
ポルノグラフィティの最新シングルも最高なんでよかったら聴いてください。