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16.地獄変

地獄に行ったことがないのでわかりませんが、こんなに恐ろしいところならチラッとのぞくのも絶対やめておこうと思う読後感です。

とある絵師が登場するお話で、見たことがないものは描けない、仮に描けても納得しないだろうという考えで自分の娘をモデルに使うのですが、その使い方が狂気の沙汰。

もちろん、本物を用意できればそれに越したことはないですけど.…一線を越えた絵師は、もう二度とこちらの世界へ戻れなくなってしまいました。

よく、亡くなったら天国へ行く、地獄へ落ちる、なんていいますね。

でもそれってもしかすると亡くなった後の話ではなく、生きながらでも十分あり得ることではないでしょうか。

誰が見ても、そっちへ行ったら不幸になるとわかっている。
あの人と一緒になったら不幸になる。なんてよくありますよね。
でも周囲が反対すればするほど本人は突き進んでしまうものです。

どうしても心配だから途中までは追っかけるけど、ここから先は追ったらダメかも…と引き返すこともあります。

究極それもまた人生だし、家族であってもそれぞれの道です。
でもスパッと割り切れないこともあるのが人情。

最終的には、どこかで元気に暮らしてててくれたらいいや。なんていう感じで落ち着きますが、人生の悲喜こもごもって一生モノのエンターテイメントなのかもしれません。

わかったようでよくわからないような、煙に巻くような終わり方で終わります…!

今夜は、芥川龍之介の地獄変でした。
また明日。







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