2.雪国

2冊目は、雪国です。

真っ白い装丁を目にすると、気持ちもヒンヤリしてくるよう。
視覚から入る情報って影響力がすごいですね。

国境の長いトンネルを抜けると…の一文は、感情がグッと盛り上がります。
どんなに綺麗な雪景色なんだろう、と自分の知っている雪山を想像しました。

反対にその次の一文、夜の底が…では心が空っぽになるような、取り返しのつかないことが始まるような予感になり。
感情が縦に横に揺さぶられる始まりでした。

登場人物のやりとりに共感するところもあれば、そうではない部分ももちろんありましたが、なぜだかずっと夢を見ているような心持ちにさせられる作品でした。

遠い遠い、見たことも聞いたこともない国の夢物語に触れるような不思議な感覚。

部屋が静まり返っている時って、耳の奥のほうでシーーン…という音が聞こえませんか。
雪国は、あの感覚です。わかりづらいかもしれないですが、自分と空間との境目がわからなくなるような、溶け込んでしまったような。

人をそんな心情にさせてしまう物語を生み出すって、凄い創作力ですよね。



誰もが本を読む時間を持てたら、人は人を傷つけずに済むかもしれない。

そんなことを感じます。

雪国の世界からひとまず戻って、また明日3冊目に入ります!








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