4.沈黙
4作目は、遠藤周作さんの、沈黙です。
どんな話か前情報を入れずに購入したのですが、江戸時代キリシタン弾圧の最中に布教に来たポルトガル人達の苦悩をあぶり出すようなお話でした。
私は無宗教なのですが、空や雲、山や海、花を見ると、信仰心ってこういうものなのかな…と我に返ります。
自分を包む大きな存在といいますか、及ばないもの。
小説の内容は、信仰や神の存在についても考えさせられるものでしたが、
異国(日本)へ来て、しかも当時弾圧されていたキリスト教を布教するって、物凄い覚悟だと思いませんか?
お釈迦様のお話で、
月を指す指というものがあります。
私が月を指す時は、指(手段)ではなく、その先にある月(真理)を見なさい、というもの。
手段にばかり囚われて、それを行う目的を見失わないように、という教えだそうです。
沈黙の登場人物に思いを馳せていると、どこからかそんな声が聴こえてくるようでした。
自分だけが正しいと思ってしまう時は、指ばかり見ているのかもしれません。
最後は聖フランチェスコの半生を描いた映画「ブラザーサンシスタームーン」の劇中歌を紹介して終わります。
劇中のテロップては
兄である風よ、姉である空の精よ
と表示されているのですが、
ここ、Air なんですね。
空の精。映画の雰囲気そのままの和訳に感激しました。
私は20年くらい前に初めてこの歌を聴いた時、感涙しました。勝手にあふれてくる。なぜだか不思議です…。
それでは明日、5冊目に入ります。
ブラザーサンシスタームーンという映画の中で、主人公が歌うシーンがあります。