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感謝をするということ その11

私は両親が嫌いだった。
本当に嫌いだった。
そして、もれなく自分自身のことも大嫌いだったのだ。
保育園の頃から間違って生まれてきたと思い続けていた。

そんな気持ちで過ごしていたので、それはそれは生き辛かった。

いつも人の目を気にして、人の言葉一つ一つを聞いていた。
そのせいか、人の細かい心の動きが手に取るように分かっていた。

そしてそのせいで生き辛さを加速させたのだった。

愛されていないし大嫌い

そもそも何故、私は両親が嫌いなんだろうか?
それを掘り下げていった。

私は愛されていない。
私は必要とされていない。
私のことなんて誰も理解してくれないし、必要とされていない。

なんの疑いもなく、そう思っていた。
私なんて、どうせ。
私なんて、どうせ何もできない。
私なんて、価値がない。
だから愛されてないし、愛されない。

何故そんなふうに思ってしまったんだろうか。

結局は拗ねているだけなのだ。

私には姉と弟がいる。
姉は手が器用で勉強も出来ていた。
いつも姉と比べられ、私はやる氣をなくしていったのだ。

それから弟は唯一の男の子であり長男だった。
私と一つしか変わらないのに母と祖母から溺愛され、あからさまに贔屓されていた。

そうして私が拗ねてひがんでいく準備が整っていったのだ。

何も無いと勘違いしていた日々

私のことは誰も大切にしてくれないし、私なんてどうでもいい存在だと何も疑うことなく思っていた。

そのうえ、行動を制限されていたため強い矛盾を感じていたのだ。
チャレンジする前に却下され、全てを否定されていた。
「出来ないからやめときなさい。そんなの出来るわけがないんだから」
そうやって幼い私の自信もやる気も、そして達成感さえも親の手でそぎ取っていったのだった。



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