老いた体には老いたなりのケアがある
人の体には区切りがある。
生まれ落ちてから体がしっかりできるまでの小児期。
基本的に体に問題がない青年〜壮年期。
体が老いてきて病気とともに過ごす高齢期。
青年の体と、老年の体は違うと分かっていても、どう違うのかなんて考えることは少ないし、疲れやすいとか関節が痛みやすいとか以外でパッと上げられるものはほとんどありません。
でも、リハビリをしていると「高齢者の体」という知識は不可欠です。だって、今やリハリビテーションのメインターゲットは高齢者ですから。特に、生活期のリハでは70歳は若い、80歳で普通、90歳はまだまだ、なんてくらいまーーーご高齢の方が多いです。
後期高齢者が75歳の意味って、知ってますか?
医療費がぐぐぐ〜〜〜っと掛かるようになる年齢が75歳なので、後期高齢者は75歳ということになったそうです。
ってことは、75歳以降は病気とともに生きる体ということですよね。つまり、体のあり方が変わるということ。高齢者には高齢者に合わせた医療知識が必要になりますよ、そのお話をしますよ、というのがこの講座になります。
前半:高齢者医療についての現在の状況や、社会情勢について
後半:高齢者の体に合わせた医療とはどんなもの?
前半解説:高齢者医療についての現在の状況や、社会情勢について
前半については、私も知っていることも多かったのですが、うんうん!と思ったことは、医療や福祉は公共財源から提供されているものだから、個人のこと(病院の利益、個人の利益)ではなく、効果的に社会貢献するという意思を持ってサービス提供することを求められているんだ、ということ。
もちろん、利用者個人を考えたケアを提供することが一番ですが、それをすることで「地域で安心して暮らせると思える医療体制ができる」「入院するより費用が抑えられる」といった社会貢献の面があるので、それを意識した仕事をしなさいね、という要請が込められているんです。
医療職は目の前の人のことを考えるのが仕事だから、お金の話や制度の話になると苦手だな〜って思う人も多いと思う。実際私も、昔の上司にお金と保険の話をされなければ今でもあまり考えずに仕事していたと思うしね。
でも、これから(というか今でも)「もーーーーお金ないっす無理っす」の中で、私たちが安心して医療を受けられる状況を保つためにはそういった考えも必要だよな、と再認識させられました。
後半解説:高齢者の体に合わせた医療とはどんなもの?
後半は、高齢者の体について知識のアップデートです。
高齢者医療に携わって長いですが、それでも「へーー!」「ほーーー!」「そうだったのか!」の連続でした。お恥ずかしい。
詳細はぜひ講座を見ていただくとして、ほんとーーーに高齢者の体というのは若い体とは違うんだということ。
血糖値を下げる、血圧を下げる、薬を飲む、塩分制限をするといった成人のケアが、高齢者では裏目に出ることがあります。
自分の中で新しいトピックが障害係数。病気に対してエネルギーが使われるのでCOPDなど疾患のある人はそれも含めた栄養量を考えなきゃダメだよってこと。
確かに、高熱が出た時は体重が落ちるし、訪問リハで会う人は多くが痩せている。「細いから介護が楽で」なんていうのは在宅ケアのあるある会話だけど、その一方で栄養が足りてない可能性を医療者側は気付いてなきゃいけないわけで。反省。
そんな感じで、高齢者には高齢者に合わせた医療があるのだと細かいトピックを盛り込んで教えていただきました。
小児科があるんだから、高齢科があればいいけど、ネーミング的に好まれなさそうなのが目に浮かびますね。それにあたるのが総合診療医や、在宅医療の医師なんだと思います。
同じように、60代で脳梗塞になった人のリハと、80代で脳梗塞になって、認知症もあって、介護者は同じ年齢で関節痛がある奥さんの場合のリハも違うわけで、そこら辺も自分の中で言語化していきたいなぁ。
とてもいい学びの時間でした、ありがとうございました!後半が楽しみです。
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