
「宿題やったの?」問題から見えるもの
子どもの声を引き出すのって、一筋縄ではいかない。
私には、勉強がすごく得意とは言えない小学3年生の娘がいる。
小学校に入学した頃から毎日の宿題に苦戦してはいたが、
3年生になった4月から、日を追うごとに宿題を始めるまでの
時間が長くなっている。
自分でタイミングを決めさせると良い、と何かの本で読んだので、
「今日は何時に宿題やるの?」「時間になったよ、宿題やりなよ」
夕食の支度をしながら、横目で娘を見て何度か声をかける。
「まだやってないの?」「やらないんだったらもう見ないよ!」
やさいを切るスピードは上がり、言葉のテンションも上がる一方。
んー、このままではダメだ。ちょっと一呼吸おいて、今までとは
違う質問が思いついた。「どこでだったら宿題できそう?」
すぐには答えが出なかったけれど、数日後の娘の選択は
「キッズプラザ(学校併設の子どもの居場所事業)に行くか、
パパと一緒だったら宿題できそう!」
なーんだ、パパなのね、とがっかりしつつも、宿題から逃げることより
できる策を自分でひねり出した娘に、素直に言えない「ありがとう」を
心の中で伝える。
自律のためには、大人の指示ではなく、子ども自身が決めたり
選択したりする経験が大事だとよく言われる。
子どもの声を聞く大切さを保育者として重々理解していたつもりだったが、
我が子の宿題問題がうまくいかなかったのは、自分の質問の幅が
狭かったからだと気づいた。
ある程度の対話ができる小学3年生でもこうなのだから、
私が産後ドゥーラとして関わっているご家庭の赤ちゃんたちの
声を聞くのはなおさら難しいことなのだろう。
今何をしたいんだろう? 今どんな気持ちなのかな?
そっかぁ、怒りたかったんだね~
ちょっと思いを寄せたり、ゆったり話しかけて気持ちを代弁してあげることで、赤ちゃんたちの言葉にならない言葉をキャッチできる場面が増える。
そんな時、赤ちゃんはとっても良い表情でリアクションしてくれる。
ドゥーラサポートを通して赤ちゃんとのコミュニケーションを深めたい
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