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「ください」は敬語? 命令?
「早めにご確認ください」
メールにそう書いてあるのを見て、
「えっ? 命令されてる?」
と感じたことはありませんか?
さらに、
「早めにご確認ください」
「こちらのアドレスにご返信ください」
と、「ください」が2回続いたら…。
すっごく命令されている気分になったりしませんか?
もちろん書いている方は命令しているつもりも、悪気もなく、
丁寧に「お願いしている気持ち」で書いているのだと思います。
なのになぜ?
「ください」は敬語なのに、命令されている気になる人がいるのでしょう。
「ください」は、たしかに「くれる」の尊敬語なのですが、
「くださる」の命令形なんですね。
つまり、本来の意味として、命令形でもあるわけです。
「なるほどぉ。命令形だから命令に聞こえるんだ」と思う方もいるかもしれないですが、「決まり」よりも、相手に与える「心情」に重きを置いている私の分析は……。
選択すると楽しくなる
「ください」と書かれて命令されたと感じるのは、選択の余地がないからだと思うのです。
人は選択することで自分の考えに責任を持ち、それを全うしようとします。
さらには選択することで、自信を持ちます。
「炒飯とウナギどっちがいい?」と聞かれて、
「ウナギ」と答えたら、ウナギを選んだことに責任を持ち、
ウナギがすっごく美味しく感じ、
さらにはウナギを食べているその時間を楽しみ、
ウナギをセレクトした自分の判断に心の中で拍手をしてしまうわけです。
それなのに「ウナギを食べてください」と相手に言われると、
本当は自分もすごく食べたかったのに、
「食べてあげた」という気持ちになり「本当は食べたくなかったのに」と、
無意識に本心が反転してしまう可能性が出てきます。
ここが「ください」のワナです。
選択の余地がなくなり、やらされた感が強まり反発を感じて抵抗感が沸き上がってしまう。
アレンジバージョンとして、「ください」の前にこんな言葉を付けたら、いいのでは?と感じる方もいるかもしれません。
たとえば、
恐れ入りますが、〇〇ください。
お手数をおかけしますが、〇〇ください。
お時間がありましたら、〇〇ください。
などなど。
これなら命令感が緩和され、いいんじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、元々「ください」を命令だと感じている人には、ほぼ効力がありません。
逆に「丁寧に命令してる」ような感じがして、なんとなく気持ちの悪い感覚に包まれてしまいます。蕎麦にミートソースをかけて食べるような。
「ください」をかしこくアレンジ
こんなややこしいことをしなくても、「ください」はもっとシンプルにアレンジすることができます。
〇〇して頂けますか?
〇〇して頂けたら嬉しいです
〇〇して頂けますでしょうか。
〇〇してくださいませ。
〇〇して頂けたら幸いです
これなら頭にこんな言葉を足しても自然です。
恐れ入りますが、
お手数をおかけしますが、
お時間がありましたら、
急で申し訳ないのですが、
「寿司に醤油」「パスタにミートソース」「ウナギに秘伝タレ」のすっきりバージョンに完成します💛