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ちょっとしたことなのですが
数か月ぶりに車を洗ってもらいました。
私の住むコンドミニアムには車を洗えるスペースがないので、洗車は街中にある洗車サービスを利用しています。
外出自粛期間中はいろいろなビジネスが一時的に中断していましたが、洗車場もいよいよ再開したところでさっそく行ってきました。
去年の3月に買ったばかりのピカピカの新車も、この数か月のあいだにすっかり水あかや落ち葉や鳥のフンまみれになっていました。
すぐ近所に朝8時から開いている洗車場があるので一番乗りで行ってきました。
おカネを払い、車を洗ってもらっている間、外のベンチに腰をかけてコーヒーをすすりながら洗車場のスタッフをながめていました。
洗車機から出てきた私の車をスタッフが2人がかりでピカピカに磨いてくれます。
高校生くらいの若い男の子がキュッキュ、キュッキュと磨いたそのあとをベテランっぽいおじさんがていねいにチェックしていきます。
朝一でほかにお客さんがいなかったからかもしれませんが、それはそれはていねいに、まるで自分の車を洗っているかのように心を込めてキレイにしてくれていました。
この自粛期間中は多くの人が自宅待機を余儀なくされていました。
私も2か月間、たまの買い物やときどきオフィスに行く以外は家に引きこもり状態でした。
その間ほとんど車に乗ることもなく、さんざんホコリにまみれてクモの巣だらけになっていた私の車は、長い自粛期間を終えた洗車スタッフがプロの技とプライドをかけて、見ちがえるほどにキレイにしてくれました。
アメリカでは提供されたサービスに対してチップを支払う習慣があります。
チップの相場はサービス料のだいたい15~20%くらいが一般的で、サービス業の人たちにとって、チップは大切な収入の一部です。
今までの私はレストランやヘアサロン、ウーバーやデリバリーなどのサービスを受けた時には「それがアメリカの習慣だから」と思ってチップを渡していました。
今回のコロナ禍で自粛生活をしていた時、自宅に引きこもっている間にも人々の生活を支えるために一生懸命働いてくれていたエッセンシャルワーカーの人たちや、ドアの前まで荷物を届けてくれたドライバーたち、経済活動が再開したあと髪を切ってくれた人、車を洗ってくれた人がいること、すべてにありがたみを感じることができました。
みんな自分の生活のために働きながら、だれかの生活に関わっているんだなあと改めて思いました。
洗車が終わりスタッフにチップを渡した時は、「それが習慣だから」ではなく、心の底から「ありがとう」の気持を込めて渡すことができました。
さて、ピッカピカになった車に乗り込もうとしたその時、あることに気がつきました。
運転席の外のドアの下にマットが敷いてあったんですね。
きれいになったばかりの車に乗り込む時に、よごれた靴で車内のマットをよごしてしまわないように、そこで靴底をある程度きれいにするために敷かれたマットでした。
ちょっとしたことなのですが、このさりげない気づかい・おもてなしの心が胸に刺さりました。
私もそういうちょっとしたことができる人間になりたいなと思った瞬間なのでした。
敷いてくれた足ふきマット。シンプルにうれしかったです。