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包丁を持てなかった私が「料理愛好家」になった〜型抜きクッキーから見えた景色

こんにちは、料理愛好家Ryokoです。
大好きな父のために父が好きな麺に合う料理を得意としていた母。

でも、それだけではありません。母は娘達によくスィーツを作ってくれました。幼稚園から帰ってきて食卓に並んでいたのは蜜柑や桜桃の缶詰で作ったフルーツゼリー、フカフカのパンケーキ、たまにバナナが入ったアメリカンドックバナナ版だったり、スイカをくり抜いてバスケットに見立てたフルーツポンチ。その中でも母との思い出で鮮明に覚えているのは一緒に作ってくれた型抜きクッキーでした。

産後に実家から持ってきたのは母との思い出がたくさん詰まったクッキー型。母が旅立った後すぐ、父と妹と3人で暮らす生活を立て直すことを最優先にした私は母の形見を殆ど処分しました。でも、いつか家庭を持ったら使うかも…クッキー型だけは処分できなかった。まさか私の宝物になると思わなかったのです。

ミッキーマウス・動物・クリスマス
母との思い出がたくさん詰まったクッキー型

コミュニケーションを取りたいとき、時間がポッカリできたとき、オヤツストックがなくなったとき、子供達とクッキーを作ります。

「ママ見て、ママと同じようにやってみたよ」

クッキー生地こそ私が作るけれどあとは子供達におまかせ。ベーキングマットの上で粉を振り、クッキー生地をのばし、好きな型で型抜きしてオーブンに入れる、子供達も慣れたものです。

「うまく型抜きできるかな、見て」見て見て攻撃

「好きなようにやってごらん。難しかったら手伝うね」声かけだけで"Happy Halloween Cookies"できあがり。

かぼちゃ、こうもり、フランケンシュタイン、ドラキュラ、ウィキッド…Happy Halloween🎃

「僕が作ったんだよ、美味しいでしょ」ニコニコ顔の君が作ったクッキーを家族で食卓囲んで「美味しいね、上手だね」と取り合う。きっと母も同じ景色を40年前に見ていたんでしょう。

捏ねて伸ばしてを繰り返して少し粉っぽくなったクッキー

私は母の見ていた景色を見たいのです。そして、子供達との協働作業、それが私が1番大切にしている食育。そのための手間や時間は惜しみたくないと思ってます。

クッキー型を捨てなかったあの日。私はまだまだ食事を作ることに対してコンプレックスを持っていたのです。包丁を持つことに強い拒否感を持っていたのです。

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