自分の書いた文章を読み返す時に、知っていれば劇的にレベルアップする視点あれこれ
「文章力」とはなんでしょうか?
そんな漠然とした問いかけに意味があるかわかりませんが、一つ、大切な要素としては
「書いた文章を自分自身でチェックし、修正できる力」
があります。
まだ経験の浅いうちは、自身の文章をセルフチェックして読み返したとしても、「どこをどう修正すればいいのかわからない」となりますよね。
ただこれは当然のことで、誰のチェックや添削を受けずとも高いレベルの文章を一人で書けるのなら、それはもう十分プロのライターと言えるてしょう。
だからこそ、最初ほど、誰かに添削してもらったり、感想や印象を忌憚なく言ってもらえる仲間がいるような環境は価値を持つものなのです。
ただ、そうは言っても、やはり自身の書いた文章を一定レベルのクオリティに仕上げるためのは、セルフチェック能力は欠かせません。
文章のセルフチェック能力とは、言い換えると、
「いかに自分の文章を俯瞰(ふかん)して見ることができるか?」
となります。
文章を俯瞰(ふかん)する=鳥になる
〝俯瞰(ふかん)〟とは、意味のそのまま
「高いところから見下ろし、より広い視野から全体を把握すること」
です。
同じような言葉に〝鳥瞰〟(ちょうかん)があります。
まさに鳥が大空から地上を見下ろすような、広く、高い視点こそが、すなわちライティング力とも言えるのです。
こう書いたら、次に読者はどう感じるだろうか?
もっとわかりやすい表現にできるだろうか?
これを読む人全員が、この内容を理解してくれるだろうか?
これを読む人全員が、この内容に共感、そして感動してくれるだろうか?
この文章を読んで、相手は価値(役に立つ・面白い・ためにある)を感じるだろうか?
このような視点を多角・多様に持って、文章を見直していく必要があるのです。
自分の〝主観〟のみではこれはできません。
あるいは、〝客観的な視点〟だけでは、ちょっと物足りません。
〝客観〟とは、言わば「第三者から見た主観」です。
筆者の独りよがりでもなく、特定の第三者目線からだけでなく、
「その文章を読む全ての人が、どう感じるだろうか?」
これを突き詰めることで、より文章はわかりやすく、理解、納得、共感、ひいては心を揺るがすほどの感動、といった反応へ繋がっていくのです。
そう考えると、やはり文章を見直す上では、「俯瞰」もしくは「鳥瞰」のイメージがベストになります。
つまり、「主観」から一歩以上離れた位置から、自分の書いた文章を見直してみる。これを可能な限り、セルフサービスでできるように磨かねばなりません。
もちろん、「主観から離れる」ということは、誰にとっても簡単なことではありません。
誰しもが〝自意識〟というものを持っています。
自分の生み出した文章を〝まるで他人か書いたもののように見る〟という行為は、現実的には、人間である以上、100%主観から離れることは不可能と言えるでしょう。
ですので、それはいわゆる〝悟り〟が目指す領域に近いのかもしれません。
そういう意味では、文章を書くということは、日常の行為をもってして真理に近づこうとしているわけなのです。
「読者目線で書く」わけではない
ところで、ライティングのセオリーとして
「一人の特定のターゲットに向けたメッセージの方が刺さりやすい」
「ターゲットを明確にしましょう」
ということが良く言われています。
あまりにも正解のように言われているので普段は違和感を抱きませんが、厳密には、その〝一人〟の意味を履き違えると、文章の精度を下げてしまいます。
確かに、読者側が
「自分に向けてメッセージを届けてくれているんだ」
という感覚に至れば、そのまま良い反応に繋がります。
そういう意味では、一人に向けて書くは適切、と言えます。
しかし、現実として、ネット上の文章は、不特定多数の人達が読むものです。一概に「読者」と言っても、知識レベル、性格、精神状態、などなどあらゆる要素が十人十色です。
その状態で、文章の内容や構成を〝特定の読者の一人〟にだけ向けたようなイメージで書いてしまうと、多彩多様な、多くの人達の知識レベルや心情を汲み取りきれず、不必要に限定的なメッセージを放ってしまうことになるのです。
当然、そういった文章は、その限定された読者像に近い人への反応は高まるかもしれませんが、それ以外の人々の反応を著しく下げてしまいます。
〝一人〟の中に、いろんな心の動きがあるし、あらゆる多様性がある。そんなイメージでしょうか。
ですので、「特定の一人に向けて書く」のは、文章そのものではなく文体や言い回しまでにしておくのがコツの一つです。
web上のコピーで「みなさんは、〇〇についてお悩みではないですか?」と言わないように、一人の読者に向けて書くような言い回しにする、というのが基本となります。
どうすれば「俯瞰力」つまり文章力を磨けるのか?
では、ライティングレベルを高めるために、どうやって主観を離れて、視点を高めていけばいいのか?
今回は、3つの方法をご紹介して終わりにしようと思います。
自分の持つ主観を信じない
(元来、人間は思い込みが激しい。そして頻繁にエラーを起こすことを理解しておく)学び続け、たくさんの知識や価値観に触れる
【現実的には】他者から添削やフィードバックを積極的にもらう
思い込みが強かったり、勉強不足でものを知らない分だけ、主観から抜け出す範囲が狭くなります。
だから、日常生活から「自分はこれが苦手だから」と食わず嫌いせず、好奇心を大事にしながら日々勉強を続けることが最も大切ではないかと思います。
たくさんの人と出会って、たくさんの本を読んで過去の偉人たちの価値観や考え方に触れて、自分以外のものを出来るだけ知って理解しようとする。
そんなあくなき探究心のみが「俯瞰力」なるものを磨いていくのです。
YouTuberや、フリーランスや自由を目指す系の界隈では、よく
「好きな人と、好きなことだけをやって生きていく。」
だなんて言葉が多くの共感を掴み、心に刺さっているようです。
気持ちは十分理解できるし、きっとほとんどの人がそんな生き方に共感し、憧れを抱くことでしょう。
でも、こんな生き方は、本当の意味で、人類を幸せへ導くものではありません。
自分自身の「キライ」「ニガテ」といった感情で人や物事を判断するだけでは、一生、相手と分かり合える日はきません。
好きな人やモノだけで自分の周りを囲んで、自分にとって都合の悪いことからは目を背ける。
このように生きていると、いつまでも多角的な視点は手に入ることはないのです。
世界中で争いが絶えない根本原因は、まさに人類の「好き嫌い」にあるのではないでしょうか。
もはやいっぱしのライターの考えるようなスケールではないのですが、僕たちは文章を書く行為をこうして行なっているわけですから、せっかくなら、このくらいのスケールで常に世界や日本のことを考えていたいものです。
日本人なら、世界の代表として、たとえ敵に見える相手すらも理解しようとして、すべてを和していくべきである。
先人たちはそんなことを我々に伝えようとしているような気がします。気のせいでしょうか。
あとは、「3」については、書いていたら話が長くなってしまったので、また別の機会に詳しくお伝えいたします。
まあ要するに、ライティングを教えてくれる先生ももちろん、文章のことなんて一切わからないような人へも、積極的に直接フィードバックを求めてみましょう。
これが出来るライターとそうでないライターは、それがそのまま実力ではないか、とさえ僕は考えています。
そう、「他人に自分の書いた文章を読んでダメ出しをもらう」という状況こそが、何よりもライターとしての能力を高めてくれるのです。
ああ、また話が長くなりそうです。また別の記事でこの件についてはまとめますね。(本当に重要なお話ですので。)
ということで、今回はこのくらいで終わりにします。(これでも3割くらいは話題をカットしたのです)
ぜひ、この記事を何度か読み返しながら、自分の記事を読み返して、文章の精度を高めていってもらえたらと思います。
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それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。