いくら上達しようとも、書いた文章は絶対に他人にチェック・添削してもらうべし
こんにちは、はじめまして。フリーランスのセールスライター、あとは某ライティングスクールの講師などで活動しております、ないとうさんです。
さて、これとは別の記事で、
「文章をセルフチェックしてブラッシュアップする方法」
についての考え方や具体的なトレーニング方法などを書いてみました。
文章は基本的に、何度も見直して、修正すればクオリティはどんどん向上します。
中には「何度も修正しすぎると、かえってクオリティが下がる場合もあるのでは」と心配になる時もありますが、ほとんどの場合は、推敲した分だけ「読みやすく、わかりやすく、より理解、納得、共感できるようように」仕上がっていくと考えていてまずは大丈夫です。
ただ、どうしても自分の文章を自分自身でブラッシュアップしていくのには、到達できるクオリティにも限界があります。
そこでさらに必要になるのが、今からご紹介していく
「他人に添削・チェックしてもらう」
という技法です。
「技法」ではないかもしれません。が、意外と奥が深い。書いていたら、5000文字近くになってしまいました。
そのくらい語れることがあるし、思うに、これが最も文章自体のクオリティを高め、自身のライティング力向上に繋がる方法だと思います。
「他人に自分の文章を見てもらう」が最強の文章力アップ練習法
自分一人だけで記事をブラッシュアップしていくのにはどうしても限界があります。
上記で紹介した記事でも述べた通り、人は、人間である以上〝主観〟から完全に抜け出すことはできません。
〝主観〟はどうしても「フィルター」や「バイアス」というものがかかってしまいます。
いくら自分が「最高の出来だ!」と大満足したとしても、他人からみれば、その文章は意外と大したものではない・・・だなんてことは誰しも実感したことがあるのではないでしょうか。
だから、文章を書いたら、誰かにチェックしてもらう。
シンプルですが、これだけで、ずいぶんと主観から離れ、自分だけでは思いもよらなかったアイデアや意見がもらえるのです。
誰に文章をチェックしてもらうべきか?
Webライターならば、記事を納品する際は、クライアント側の担当やディレクターからチェック・フィードバックがもらえるでしょう。
自然と他人からチェックしてもらえるし、クライアントによってはみっちり添削もしてくれたりします。その意味では、Webライターは本当においしい仕事だな、と思います。
もし文章力を短期間で磨きたいのであれば、文字単価は低くとも、最初はWebライターとしてクライアントワークをするのは良い選択でしょう。
他にも、直接教えてくれて、添削してくれる先生的な存在がいる場合もいいですね。
単純にスキルもアップしますし、考え方などもたくさん取り込むことができます。何度も添削をお願いして、出来うる限りのフィードバックをもらいながら磨いていけばいいと思います。
では、そうでない環境の人はどうすればいいのか?
もちろん、出来るならライティング能力の高い人にチェックしてもらうのもいいでしょう。
ですが、実は、それよりももっと重要なのは
「誰でもいいから、チェックしてもらう」
ことなのです。
ライティング上級者になっても「誰かにチェックしてもらう」は絶対必要
特に、経験を積んで、いくらかの文章力が身についてきたとしても、「誰かに原稿をチェックし、意見を述べてもらう」ことは可能なかぎりやるべし、と僕は強く推奨しています。
僕自身もそうすることによって自分の実力では到底達し得なかったレベルのセールスレターを完成させた経験が何度もあるし、
僕が知り得る限りの最高峰レベルの知人のライターでさえも、必ず、仕上がった原稿を周囲の人に目を通してチェックしてもらっていました。
(彼は実績や実力も含め、おそらく日本で最も優れたコピーライターです。彼レベルでさえも、自分一人だけではそれほど高いクオリティの文章は書けないのです。もちろん基本レベルが抜群に高いのですが。)
友人のライターやマーケターだけでなく、彼自身の会社内の秘書、事務員など、部署に関係なく、あらゆるスタッフに目を通してもらい、まさに忌憚のない意見を述べてもらうのです。
ここで最も重要なポイントは、
「ライティングについて、一切無知な人にも遠慮なく聞きまくる」
ことです。
さらに言えば、
「厳しい意見を平気で言ってくれる人にもガンガン聞きまくる」
ここまでできればエクセレント。
ビジネスやライティングのことなんぞ全く知らないような女性スタッフの人達が、その日本一の実力とも言える彼に向かって、遠慮なく
「ここ、なんだか読みづらいですわ。」
「ここの部分、なんかイヤな感じです。」
などと、ズバズバと意見を述べていくのです。
これは相当キツい。
僕も何度も経験がありますが、相当にしんどいことです。
ただでさえ何度も書き直している長文のレターを、ほんの思いついたかのような口ぶりで、苦労も知らぬ女性陣から「なんか、イヤ」だと、なんの理屈もなしに突き返されるのですから。
時にはまるで自分自身を否定されたような気分にもなるし、相手に対してイラっとしてしまうこともあるかもしれません。
見てもらうこと自体が苦痛になって、億劫な気持ちにさえなってきます。
それでも、もらった意見を参考に手直しして、また見せて、またダメ出しを喰らって、を繰り返す 。
ものによりますが、諸々合わせたら、書き直し100回とかも平気であるのではないでしょうか。
そのようにして、まるでドラゴンボールの元気玉のように、その文章一つにみんなのエネルギーを乗っけていくようなイメージです。
これが、最強の文章ブラッシュアップ技法だと僕は考えています。
もちろん条件付きのやり方ですし、ちょっとした記事を書くのに毎回やれるわけではありません。
ですが、せめて「誰か一人に見てもらう」これができるだけで、ライターとしての成長は、間違いなく劇的に加速します。
天狗の鼻をへし折ってもらうためにも、書いた文章は誰かに見せるべし
想像できると思いますが、他人の文章に対してダメ出しするのは、実はけっこう簡単なことではあります。
だからこそ、ライティングやマーケティングのことなんか知らない人に意見をもらった方がいい。
特に、いろんなタイプの女性に見てもらうのが、たくさんの発見があっていいと思います。
(その文章のターゲットがたとえ男性だとしても、女性に見せる意義はあります。もっと後半でそれについて説明しています)
誰かに意見をズバズバ言われる時、「俺は優れたコピーライターだ」なんて余計な自意識を持とうものなら、それはいともあっけなく崩れ去ります。
むしろ、そんな天狗になりがちな自意識を根絶するためにも、そうしていわゆる〝素人〟からの意見もどんどん取り込んでいく必要があるのです。
(もちろん、現実的にマーケティング領域から逸脱するアドバイスの導入はできないので、バランス感覚は必要です。)
「コピーライター」とか「マーケター」とか名乗るような人々は、(僕も含め)すぐに天狗状態に陥ります。
なんせ、自分の生み出した文章が、大きな収益を生み出すのですから。その達成感や尊敬をさらに集めたくなって、自身の高揚感に変えてしまいたくなるものなのです。
ですが、「俺の書いた文章だ」という自意識は、すさまじい害毒になりえます。
これは適当な比喩表現やメタファーでもなく、文字通り、自身を蝕む〝害毒〟になるので、本当に戒めが必要です。
特に男性諸君は、絶対に気をつけるべきです。
この手の世界はどうしても「稼いでいる奴がエライ、カッコイイ」のような風潮があります。
でも、「稼げるか、稼げないか」だけで人間の価値を判断するしかできなくなると、単純に性格が悪くなります。
自分がそこそこ稼げるようになったら有頂天になって人を見下すようになる。
一方で、自分より稼いでいる人に対して異様に劣等感を感じる。
自分ももっと〝自由さ〟やお金持ちをアピールしたりと、精神衛生的にどんどんしんどくなっていきます。
そうして自滅したり、人に裏切られていわゆる不幸になっていった人は本当に多いものです。
誰かにチェックしてもらうと言葉そのものの〝エネルギー〟が劇的に向上する
ライティングに詳しくない人にさえも、遠慮なくチェックしてもらう。
「読んでみた感想や意見をなんでも教えてください!」と、批判や失敗を恐れずに人に助けを求める。
これができるライターこそが最強だと思います。
文章というものは不思議なもので、基本的には「書き直せば書き直すだけ良くなる」傾向が間違いなくあります。
(小説家・村上春樹さんもどこかでほとんど同じようなことを言っていました)
それは表面上の文章のレベルの意味でもそうですが、なんと表現しましょうか、そこにはたくさんの人々がかけてくれた〝エネルギー〟が乗っかるのです。
これはきっと、ライターとして長年活動している人からすればきっとごく自然に共感できることではないでしょうか。
エネルギーについてはまた別の機会に詳しく解説したいのですが、つまり、文章には、人の〝思い〟や〝感情〟といった、何らかの見えないパワーが乗っかります。
これは理屈で説明せずとも、
「心を込めて手紙を書くと、書いた方も読んだ方もあたたかい気持ちになる」
「ネット上やLINEなどで愚痴や批判や悪口をこぼす文面を見かけると、イヤな気持ちになる」
といったことは誰しも経験したことはあるはずです。
書き手も読み手も、その言葉によって心や感情が揺さぶられるものなのです。
そして、ライティング力の熟練度に関わらず、誰かから「ここがなんかおかしい」「よくわからないけれど、ここがイヤ」と指摘された箇所には、理屈ならざる〝エルギーの滞り〟がある、と考えてみます。
そこをどう改善すれば良くなるか?そこに論理的な正解は、案外ありません。
ですが、
「その〝エネルギーの滞り〟の部分に気がつき、修正する」
ということを何度も重ねていくと、結果的にどんどん文章のエネルギーが高まり、読みやすく、あるいは心があたたかく、幸せになるような、そんな状態にさえなっていくのです。
文章に限らず、人やモノも、全ての物事は「見てあげる」ことでエネルギーが高まります。
人が何年も住んでいない家はどんどん劣化が進むのは、誰も見ておらず、気にかけていないから。
誰からも一切気にかけられず、無関心のままだと、誰だって寂しくなったり、苦しくなったりする(=エネルギーが下がる)ものです。
それは文章も同じで、何度も見て、色んな人からも見てもらって気にかけてもらうことで、どんどん気がよくなっていくのですね。
なんだかオカルトチックに捉えてしまう可能性もあるのでこのくらいにしておきますが、きっと多くのライターは、これらの感覚に共感してもらえるのでは、と思っています。
まとめ
ということで、出来うる限り、誰かに添削やチェックを恐れずに依頼してみるのが、ライティング力向上の最も効果のある方法です。
環境によって、誰にも添削やチェックを頼める状況じゃない場合もあるはずなので、もちろんできうる範囲で大丈夫です。
それでも、SNSで交流している仲間や、直接の知人などに見てもらう、という工夫はぜひやってみてください。
きっと、自分のレベルの何十倍以上もの文章を書けるようになれるはずです。
※追伸
「エネルギーについては理屈で説明できない」と文中で述べましたが、今、「エネルギーについて、出来るところまで理屈で解説する」という講座を作成中です。
僕の担当する生徒さんからも好評?をいただいている内容をまとめていて、近日中に音声コンテンツあたりで公開したいと考えています。僕はまだ無名だしニーズもほぼありませんが、日本がより良くなることを願ってnote上に上げようと思います。お楽しみにーーー