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【ライティング3つの壁】理解・納得・共感について

こんにちは、ないとうさんです。

セールスライターの傍ら、某ライティングスクールで講師活動をしていて、そこで生徒さま達にきっと役立つであろう内容をこうしてたまに記事にまとめていたりします。

ということで今回は、実際にこの前、生徒の方の一人にお伝えした、

「〝3つのnot〟よりも大切な3つの壁」

についてお伝えします。

〝3つのnot〟の他にも壁みたいなものがある

コピーライティングの世界では「〝3つのnot〟を乗り越えよう」ということが言われています。

〝3つのnot〟とはすなわち、

  • 読まない  Not Reed

  • 信じない  Not Believe

  • 行動しない Not Act

です。

読者は読まない、信じない、行動しない。

その前提で、言葉を展開していく。

確かにこれは大切な意識だなぁといつも思います。

ですが、経験上、多くの文章は、この「3つのnot」〝以前〟の時点でつまづいていることが多いです。

読まない、信じない、行動しない。それ以前に、

  • そもそも日本語として「理解」できない

  • 言っている主張や意見に「納得」できない

  • 言っている主張や意見に「共感」できない


こういった状態になっている文章は、案外よく見かけます。

理解、納得、共感の壁(のようなもの)

理解、納得、共感。

これが今回のキーワードです。

これらは一応、順番になっています。

「共感」に至るまでには、「理解」そして「納得」してもらわなければならない。そんなイメージでしょうか。

そして重要なのは「共感」されなければ、そこでどんな話を語ろうと、その文章は目的を果たせない、ということです。

  • 「読まない」のは共感していないから

  • 「信じない」のは共感していないから

  • 「行動しない」のは共感していないから

「3つのnot」を越えていくためには、そもそも「共感」されないといけません。

もちろん「共感」の言葉の捉え方はさまざまありますが、どんな文章であれ、「共感」(に近しいもの)を読者に抱いてもらわないと、その先の反応(PV、CV、売上など)には繋がらない、というシンプルな話ではあります。

そんなシンプルなことですが、今回はより実用的にして、分解・解剖して3つを解説してみました。

ようやくここからが本題です。

まずは「理解」できる内容を書く

さて、ライティングに関するスキルやテクニックは様々あれど、まず、文章は

「相手に内容を理解してもらう」

ことが大前提です。これがなければ何もスタートしません。

「読者はそもそも〝読まない〟んだ!」と考え、文の冒頭でやけに強烈なフレーズや恐怖心を煽り倒すような言い回しを使って「読まない」のカベを越えようとするのは結構です。

ですが、そもそも日本語として破綻していて読みにくい・・・

これでは「読まない」はおろか、当然、信じないし、行動しようもありません。

そうなると、それ以上何を語っても意味を成さないので、まずは

「こちらの言っていることを理解してもらう」

ことが大前提となります。

〝理解の壁〟を乗り越える方法

文章を理解してもらうためには、「正しい日本語を書く」ということでのみ、クリアしていくことができます。

きちんとした文法で、順序立てて誠実に伝えていく。

これだけなのですが、案外、ネット上において「きちんとした日本語」を最初から書ける人はそう多くありません。

(おそらく、50%〜80%くらいの初心者は及第点に達していないように思えます。僕自身もそうでした。それもそのはず、学校で「Web上における日本語の適切な書き方」なんて習うことはないですから、これはこれで自然ではありますが。)

ただ、普段から日常生活で日本語を使えているならば、「きちんとした日本語の書き方」は、さっとポイントを抑えてしまえば、わりとスムーズに習得可能です。

本屋さんにあるような

「わかりやすい文章の書き方」
「Webライティングの教科書」

的な書籍を参考にすれば、まずは十分「理解できる文章」はまずまず書けるようになるのではないかと。

また、以前、まとめた記事では「web上における適切な日本語の書き方」のポイントをダイジェスト的にまとめているので、こちらも参考になるはずです。

有料ですが、書籍を読むよりも手取り早く必要最低限の「文法」を習得したい!という方に特におすすめです。

いずれにせよ、まずは日本語を磨いて、「読み物」として成り立つレベルを目指しましょう。

主張や意見に「納得」してもらう

言っている内容は理解できた。

その次に訪れるのは、「納得」の壁です。

「納得」とは、普段使っているイメージそのままの捉え方で大丈夫です。

「上司を納得させるためには他の判断材料が必要だ」

「あなたの意見は正しいけれど、納得はできない」

というような使い方をしますが、つまりは

「自身の感情などはさておき、基本的にその主張や意見を受け入れている状態」

というようなイメージです。(ここまでややこしく考える必要はありませんが。)

例えばこういう主張を見かけたとしましょう。

「お前のものはオレのもの。オレのものもオレのもの。」


あなたはこの主張に「納得」できるでしょうか?

おそらく、多くの人がこれに対しては「理解はできるけれど、納得はできない」という印象を抱くと思います。

※この考え方自体は〝理解〟すらできないかもしれませんが、ここでいう理解とはあくまで「日本語としての意味がわかる」という意味で使っています。

このように、

「理解はできるけど、納得はできない」

と思わせてしまうと、その時点で離脱されてしまったり、離脱はされないけれどそれ以降リピーターにはなってくれない…となります。

広告コピーであれブログ記事であれ何であれ、あらゆるWebメディアの目的は、言い方は様々あれど

「共感してもらい、ファンになってもらうこと」

と言えます。

商品購入を通じてリピーターになってもらう。

その記事で役に立ったり、面白い情報を提供して、またメディアに訪問してもらう。

そのためには、まず、記事内容に大いに納得してもらい、

「そうそう、そうなんだよ!」

といった、強い同意や共感を勝ち得てこそ、その先の成果(成約率やPV数)に繋がっていくわけです。

〝納得の壁〟を乗り越える方法

では、「納得」の壁を越えるためにはどうすれば良いのか?

特別「壁を乗り越えよう」と意識する必要はありませんが、一つ大切なのは、

「話に論理性を持たせる」

ことが挙げられます。

つまり、きちんと理屈立てて、こちらの主張や意見を伝える。

これがあるだけで、基本的に納得の壁は普通に超えていけます。

具体的には、

「主張をしたならば、必ず理由や根拠(にあたるもの)を添える」

これだけをまずは最低限意識しておいてね、ということをよく伝えます。

基本的に、主張や何かの意見というものは、そこに理由(に聞こえるもの)さえあれば、ある程度の説得力を帯びるようになります。

「影響力の武器」でも紹介されている有名な話で、「人はそれらしい理由があるだけでそれっぽく信じてしまう」的な話がありますが、まさにそれです。(※こんな表現ではないです。ちなみに「急いでいるのでコピーを先に取らせてください」という実験のやつです)

いちいち裏付けとなる根拠やデータを示すこともあるいは必要な時もありますが、まずは「理由を添えよう」という意識を持ってみましょう。

「お前のものもオレのもの!・・・なぜならね・・・」
「お前のものもオレのもの!・・・〜こんな理由があるからです」

わかりやすくすると、このようなイメージ。

ただ、律儀に「なぜなら…」や「〜だからです」と毎回書けばいいわけではありません。

そのシーンや文脈ごとにバランスもありますし、いちいち作文調に「なぜなら〜だからです」と書くこと自体が野暮ったく見える場合は工夫が必要です。

慣れてくると、わざわざ意識せずとも「添える理由付けがないならば、そもそも主張はしない」という判断をしたり、「とにかくパワーで押し切って納得させる」といった技法も自然と使えるようになってきます。

ああ、この「論理性を持たせる」というテーマだけでももっと語りたいことが出てしまいました。詳しくは別の機会にまとめることにして今回はこのくらいで切り上げておきます。

(※次回予告テーマ : 「理由や根拠が不十分でもそれっぽく説得させられる論理展開方法」)

「共感」を引き出す

やけに長くなっていますが、あと一つです。

次は「共感」です。

(巷の書籍やセミナー?といったコンテンツでは「共感を生むライティング講座」のようなものをよく見かけます。それほど、「共感」というのはそこら中でも重要視されているのでしょう。ただ、ここで解説する意味が世間一般の「共感」とはまた異なるかもしれませんがご了承ください。)

「共感」もまた、言葉通りのイメージで構いません。

より好意的で、「好き」だとか「仲間意識」だとか「愛情」のようなものが生まれている状態でしょうか。

・このタレントが好き
・このチームが好き
・このブランドが好き
・この商品が好き

これらも全て「共感」に起因します。

ファンになってもらう、商品を購入してもらう、情報を役立ててもらう・・・

前述したように、基本的に、どんなシーン、どんな記事であれ、「共感」してもらうことが文章の果たすべき大きな目的です。

「理解も納得もできるけど、共感はできない。」

そう思われてしまうと、やはりその先の反応(PVやCVなどの数字)は望めません。

例えば、こんな主張はどうでしょうか?

「私はネットで稼いで、 南国のビーチでトロピカルジュースを飲みながら
 好きな時間にパソコンを開いて好きなだけ仕事をして、優雅に暮らすのが夢なんです。

 他人のこと、日本のこと、世界の事はどうだっていいんです。
 とにかく自分が稼いで、自分と家族がまず幸せになればいいのです。」

きっと、言ってること自体は理解、納得はできると思います。

しかし、「共感」できるか?というと疑問かもしれません。

この例文はあえて後半で利己的でイヤな部分を言語化したので露骨に共感しにくいかと思います。

しかし、ここまで言語化せずとも、無意識レベルで「なんか共感できないなあ」と感じてしまう文章もよくあります。

その要因や正体は一体どこにあるのでしょうか?

〝共感の壁〟を乗り越える方法

「こうすれば共感を勝ち取れます」と一言で表すことはできませんが、基本的には、

  1. 理念や志が含まれているかどうか

  2. その理想は「世界-相手-自分」が全て繋がっているか

  3. よくわからないけどなんか好きかどうか


これらが共感を生む発信のおおよその共通点です。

「3」のように、「共感」は「よくわからないけど感情的に好き」みたいな要素も存分に含まれます。

いくら崇高な理念を掲げようとも、やはりごく人間的・感情的に「好き」と思ってもらえないと、なかなか共感を寄せることはありません。

そこさえ除けば、「1」や「2」のように、「そこに理想はあるか?」という、思いや理念の部分こそが共感における大切な要素となります。

ですので、「自分の意見はこうだ!」と、一見すると極めて個人的な主張をするにしても、そこに共感を抱いてもらうためには、その雰囲気から「そこに全体制が含まれている」感覚が必要となるわけです。

たとえば「海賊王に俺はなる!」という主張も、きっと彼は利己的な意味で言っているのではないのでしょう。それを周囲の仲間達は無意識的にも感じているからこそ、一緒に理想の未来を歩もうと共感を感じて集まっているのです。

と、これまた「共感」についても、ここだけではあまりにも説明不足になりそうです。

正直に言って、「どうすれば共感を勝ち取れるか?」を具体的なノウハウとして説明することはなかなかできません。

人間関係において「周囲から好かれるにはどうすればいいのか」を答えるようなものなので、これだけは日々の生き方、暮らし方がものを言うのではないでしょうか。

色々踏まえても、必ず心がけたいのは

「心を込めて言葉を書く」

ことに尽きます。そうしない文章が、人から共感してもらうことはきっとないでしょう。

丁寧に、思いを込めて書く。それだけが、きっと共感を生むのだと思います。

とはいえ、「共感」については他にも伝えたいことが多くあります。それはまた違う機会にしたいと思います。

※次回予告記事 : 「レベルの低い共感や〝エンパシー〟や〝シンパシー〟について」

まとめ

何とも乱暴ですが今回のまとめです。

・理解
 そもそも日本語として理解できる内容でなければ、読まれもしない
 →「正しい日本語」を書いてクリアする

・納得
 その主張や意見に賛同できなければそれ以上続きを読んでもらえない
 →「説得力のある文章」を書けるように頑張る

・共感
 その主張や意見に対する共感を得てこそ反応に繋がる
 →その発信に理念が含まれていること、そして心を込めること


それぞれどれをとってもまだ語りたいこと満載でしたので、続きはまたいつか書き残します。

いつにもまして殴り書きな内容になってしまいましたが、参考にしていただけますと幸いです。

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