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〈2024年1月7日 日曜〉どんな子供時代を過ごしなにをしているだろうかと架空の人生への

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〈2024年1月7日 日曜〉
 京阪電車から見える枚方から京都方面丹波橋あたりまでの風景、好きだ。うまく表現できそうもないけれどなんとか短い言葉にしてみると「日本だ」という感じがして。外国から京都や大阪へ観光でやって来た車内にいるひとに「窓の外をみたほうがええよ、これが日本の風景で、立ち並ぶ千本の鳥居と同じくらいには美しいと私は感じている」と伝えたいくらいだ。東海道新幹線で京都を過ぎて関ヶ原から大垣あたりも窓からみえる風景に胸が高鳴る。そこに生まれて育ったらどんな子供時代を過ごしなにをしているだろうかと架空の人生への想像が頭をかすめる。

 各駅停車よりも、特急や快速や新幹線の速度で見る車窓のほうがそういった想いが去来することが多い。速度が遅く線路から風景が近いほうが細やかなディテールが見えやすいはずなのに、速い速度であっというまに過ぎ去る遠くの景色のほうが想像力が働く。

 それはたぶんきっと少しよそ見をしていると見過ごして見えなくなってしまう光景の流れの速さが人生や日々の暮らしに似ているから、だ。

どんな土地でどんな道を通って誰と知りあってなにしてる? いつかの君よ、何処かの私よ、元気でやってるかい、哀しいときに安らげる場所はあるかい、損得や性愛や疲労や心配事や過去や未来に囚われずに横になれる時間はあるかい──


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