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E2系新幹線との思い出(前編)

E2系新幹線の概要

東北・上越新幹線が開業した1982年以来、運用され続けていた200系は、1990年代に入ると老朽化も進み、最高240km/h運転では発展が続く航空路への対抗も難しいと考えるようになった。1997年の長野、秋田新幹線の開業、2002年東北新幹線の八戸、2010年新青森延伸が迫り、車両増備も必要となったため、スピードアップした新系列車両が計画され、その中で誕生したのがE2系新幹線である。
1997年3月の秋田新幹線開業と同時にE3系新幹線「こまち」との併結相手として速達型のやまびこ号に充当された。その後も増備が継続され、1999年には速達型のやまびこE2系に置き換えを完了させ、最高運転速度を275km/hに引き上げた。
さらに、八戸開業を控えた2002年までに改良型のE2系1000番代が登場する。また、八戸開業時に速達型のやまびこは「はやて」に名称を変更している。1000番代は初期車両0番代から一部に改良が加えられたほか、編成を8両から10両に増強され、一気に主力車両となり、新青森全線開業時に計390両が揃った。
2011年以降に最高運転速度を320km/hにスピードアップしたE5系の登場により、活動範囲が一気に縮小する。2012年からは山形新幹線「つばさ」号との併結相手として仙台発着のやまびこ号として、2013年からは上越新幹線での運行を開始し、200系を完全淘汰させた。同年のダイヤ改正でもE5系の投入は継続され、盛岡以北での運用を終えることになった。臨時列車で時折、新青森まで乗り入れることはあったものの、2014年からは廃車も始まっている。
2022年には新幹線YEAR2022の一環でE2系J66編成が開業当時の200系カラーに塗色変更している。
2023年春のダイヤ改正で上越新幹線での運行を終了し、2024年3月16日のダイヤ改正で山形新幹線「つばさ」との併結相手からも引退することになった。なお、山形新幹線に使用するE3系についても、新型車両E8系の導入が決まっており、2025年までの置き換えが決まっている。
この春以降、E2系の運行範囲はさらに狭まり、東京ー那須塩原・郡山の「なすの」号を中心に運行されることになる。

思い出

ざっとE2系を紹介したが、昭和から平成への東日本の新幹線発展を支えた車両であることを改めて実感させられる。1990年代2000年代はE2系が華形車両であったからである。

この車両との出会いは、筆者がまだ小学生だった当時、初めてJR時刻表の表紙を通じてであった。ちょうど2002年12月号であった。情報網も今ほど発達はしておらず、東北新幹線の延伸が続いていたことも露知らずであった。そんな中で2002年12月1日に盛岡ー八戸間が延伸開業し、東京ー八戸間を新設された種別「はやて」が運行されたときであった。JR時刻表の表紙がE2系1000番代で新線区間で撮影されたものと思われる。白と紺にピンクのラインがただカッコイイと思った。もちろん、充分にお金があるわけでもなく、東北は簡単に行ける場所でもなかったので、大人になったら乗りたいとそんな夢を持っていた。

当時の時刻表はすでに処分してしまったので、鉄道ジャーナル2003年3月号を最近入手した。表紙のE2系もしっかり収まっている。

初めてE2系に乗車したのは2006年のこと。何とか両親を説得して、正月元日のみ使えたフリーきっぷで東京ー八戸間を往復した。E4系MAXも現役であった、秋田新幹線こまち号もE3系、山形新幹線つばさ号は400系の時代である。もちろん、はやて号にも乗車した。盛岡でのこまち号との連結シーンも見学し、すべてが新鮮であった。

社会人となり2010年代以降、少しは自由度も上がったので、東北・上越新幹線に乗る機会も増えてきた。そして2022年の「新幹線YEAR2022」では200系カラーに塗色変更された東北・上越新幹線開業40周年記念号、なつかしのあおば号、なつかしのあさひ号に乗車したほか、八戸開業20周年で1日限り八戸行きのはやて号にも乗車した。八戸開業を振り返るとともに、東日本の新幹線との出会うきっかけとなった2002年を思い出しながら、特別な1日を過ごすことができた。

仙台駅のコンコース
E2系200系カラーの車内に特別に用意された。
東北新幹線40周年記念号を見送る横断幕。大宮駅で撮影。
大宮駅の乗車位置表示にも特別に設置された。通常のE2系とともに。
2022年12月八戸駅で撮影。

2022年秋には新幹線総合車両センターで車両撮影会が開催され線路上からE2系を撮影する機会を得た。普段見られない角度から撮影に臨んだ。

左からE2系、200系カラー、ALFA-X
E2系を拡大して収める
正面からE2系。ダイヤ改正のポスターで見る角度

そんなE2系も役目を終える時が刻々と近づいていることを噛み締めながら、後編では、これまでに筆者が乗車したE2系のうち最近の乗車記録とともにお届けしたい。


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