2021.10.03 ナカザワヴィンヤード 訪問
本日より岩見沢市へ。
先日までの余市は後志地方と呼ばれているのに対し、岩見沢は空知地方。
後志は海の産地に対し、空知は山の産地と言った印象。
岩見沢市に構えるナカザワヴィンヤード、中澤一行さん、由紀子さんご夫妻で営むワイナリー。
2002年に開業、来年で20周年を迎える日本を代表するワイナリーの一つです。
私自身もワインの世界に身を置くようなってから、間もなく20年立ちます。
その中で当初から「この日本ワイン好きだなぁ」とずっと感じていたのが
クリサワ・ブランと言う1本。
私がこのワインを知った当時は、栃木県にあるココ・ファーム・ワイナリーさんにて醸造されていたワインですが
原材料のブドウを育ててらっしゃったのが中澤さんです。
クリサワ・ブランは単一のブドウからでは無く、中澤さんの畑で育つ様々なブドウのブレンドによって生まれます。
岩見沢市栗沢町のワイン、その土地の味わいを感じるワイン、それがクリサワ・ブラン。
冷涼な産地らしいシャープな果実味・ミネラル感を伴いながら
時間経過、温度変化と共に様々な表情を見せてくれる、実に魅力的な(私好みな)ワインです。
今回はその主観となるゲヴュルツトラミネールの収穫に参加させて頂きました。
先ず特徴的なのがブドウの幹。
雪が深い中澤さんの畑、冬期に雪の重みで幹が折れないように、全て斜めに倒されています。
ご存じの方も多いと想いますが、白ワインになるゲヴュルツトラミネールですが
ブドウの皮は薄紫色に色付きます。
ゲヴュルツトラミネールは糖度が非常に高く、食べても美味!
美味しいワインは、美味しいブドウから生まれます。
収穫されたブドウは直射日光直撃で焼けてしまわない様に、木陰に収めます。
収穫されたブドウは速やかに、中澤さんと同志のkondoヴィンヤード
近藤良介さんと共に立てられたワイナリー、栗沢ワインズへ運ばれます。
本日の収穫は、おおよそ1.5トン。
今回の中澤さんの収穫には近藤良介さん、弟の拓身さんも参加されていました。
中澤さんのワイン作りを近藤さんご兄弟が協力し
近藤さんご兄弟のワイン作りを中澤さんが協力する。
お互いは強い信頼関係で結ばれています。
「労働は労働で返す」
そう仰っていた中澤さんの姿が、実に印象的でした。
中澤さんのワイン作りの特徴のもう一つは、この垂直式バスケットプレスです。
「ピュアで、綺麗なジュースを得る」
クリサワ・ブランの源がここにあります。
垂直式バスケットプレスでは、600kgのブドウを
ゆっくりと24時間!程掛けて、優しく搾っていきます。
得られる果汁の量は450l程だそうです。
もっとギュッと搾れば、更なる果汁を得ることも出来るそうですが
中澤さんがクリサワ・ブランに求めるピュアさは失われてしまうそうです。
丁度、今搾りたてゲヴュルツトラミネールのジュースを飲ませて頂きました。
既に素晴らしく美味しい、そしてピュアなブドウジュース。
このジュースから私の大好きなクリサワ・ブランが生まれるのかと想うと
実に感慨深い物がありました。
ワイナリーの前で、ゆっくりブドウからピュアな果汁を得られている時
ふと、中澤さんに質問させて頂いた事があります。
「中澤さんご自身が美味しいと感じられた、他の生産者のワインは何ですか?」
その答えは、シチリアの巨匠の1本でした。
それは、クリサワ・ブランとの確かな共通性を感じました。
中澤さん、私の大好きなクリサワ・ブランが生まれるまで
一部ですが触れ、理解を深めさせて頂きました。
この度は誠にありがとうございました!
ナカザワヴィンヤード HP
中澤さんのゲヴュルツトラミネールがゆっくりと絞られていく間
栗沢ワインズの畑に隣接するkondoヴィンヤードの畑を近藤良介さんにご案内頂きました。
つづく