酸化防止剤の正体(ちょっと長文)
店頭で良く聞かれることがある。
「酸化防止剤の入っていないワインを下さい」
オススメすると
「あれ、裏ラベルに酸化防止剤含有って書いていますよ。」
1.酸化防止剤の正体
2.酸化防止剤添加する?しない?
3.ナチュラルワインには、今や基準があります!
1.酸化防止剤の正体
酸化防止剤にも、様々な形がある。
気体の二酸化硫黄=SO2。
SO2を水に溶かした物が、亜硫酸。酸の一種。
亜硫酸を中和したときに生成される塩が、亜硫酸塩。
厳密に言うと、酸化防止剤=全てSO2では無いのです。
そして、酸化防止剤に該当する成分は
ブドウ果汁がワインになる過程、アルコール発酵の過程で
自然発生するもの。言わば、自己防衛的に。
故に、ワインの裏ラベルには必ず!!
「酸化防止剤含有」と記載されています。
※それ以外に、例えば安定剤とか香料とか書いているのは
それはもはや、ワインとは言えないでしょう。
2.酸化防止剤添加する?しない?
酸化防止剤は自然発生するもの。
そして大事なのはここからで、ここから先にどれだけ人為的に添加がされているのか。
勿論、ここから先は人間の都合でしかありません。
酸化防止剤の目的は、先ずその名の通り酸化防止。
そして抗菌作用、野生酵母やバクテリアの無力化、消毒と、品質の安定が主な所。
GOALは美味しいワイン。
ナチュラルワイン的観点から言えば
やはり自然な味わいがするワインが、美味しいワイン。
私もそう思います。
よって、酸化防止剤は少ないに越したことはない。
だけれども、美味しさ、品質の良さを守るには
極少量ならば良いのではと、私は思います。
もちろん、行き過ぎてはいけません。
3.ナチュラルワインには、今や基準があります!
ナチュラルワインには基準がない。
などと、少し前には揶揄されてきましたが、それは昔の話。
2019年5月、フランスで初めてナチュラルワインの認証
「Vin Méthode Nature」が生まれました。
そこに倣い、un deux trois では
下記の製法で作られたワインを、ナチュラルワインと表現しています。
①ビオディナミやビオロジックなど、有機栽培によって育まれたブドウを原料とする
②手摘みによる収穫
③ブドウや蔵についている、自然酵母にて発酵
④発酵中においても、安定剤や化学物質を加えない
⑤清澄化を極力行わない
⑥瓶詰め時は無濾過、もしくは軽い濾過に留める
⑦SO2(酸化防止剤)については無添加、もしくは瓶詰め時に極少量(30mg/l)までの添加に抑制
これらの様な、人的介入を極力避けた、自然な製法によって生まれたワイン!
そして何よりも
その土地のならではの個性・作り手の想いが味わいに表現された
本当に美味しいワイン!!
un deux troisでは、ナチュラルワインをその様に考えています。
あなたのお気に入りの作り手を見つける事も、楽しいですよ。
ナチュラルワインの世界にようこそ!
◇参考文献
私の師匠 Rocks off 若林康史さん
大越基裕ソムリエ SO2セミナー
イザベル・レジュロンMW著 「自然派ワイン入門(邦題)」
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