ナチュラルワインは畑で生まれる(農法について)
前回、「ナチュラルワインとビオ(オーガニック)ワインの違い」を解説しました。
まだ、ご覧になられていない方は前の投稿をチェックしてください。
ご存じの通り、ワインの原材料はブドウのみ。
(基本的に)水分や糖分などを加えることはありません。
故に、ブドウの質がとても大切なのです。
今回はナチュラルワインにおけるブドウ栽培の「農法」について解説していきましょう。
□ビオロジック農法
殺虫剤、除草剤、化学肥料を使用せず、自然を尊重したオーガニック(有機的な)農法のことです。
自然環境に配慮して作られ、私たち人間にも優しいつくりです。
□ビオディナミ農法
ビオロジック農法より、更に自然に即した農法があります。
それがビオディナミ農法です。
*ビオワイン(今や死語?)と一言で言えど、ビオロジックなのか?ビオディナミなのか?
双方は異なる意味合いを持ちますので、お気を付けください。
ビオディナミ農法とは
オーストリアの人智学者、Rudolf Steiner ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)の思想のもとに体系化された農法。
彼は、農法の基本概念を方位磁石に例えています。
「方位磁石は常に一方が北を指し、もう一方が南を指す。
しかし私たちは誰もその原因を方位磁石の中には求めず、地球全体に求める。
そして地球の一端に地磁気の北極を、他端に地磁気の南極を認める」
伝統的な農業に基づき、多品種栽培と家畜を飼うことを基本とする。
ブドウ畑と言うよりは農園であり
農園がまるで一つの地球のようで
農園単位の自給自足を推奨する。
地球全体の生物の潜在的な力を引き出し、土壌に活力を与え、作物を育てる。
ナチュラルワインの原料となるブドウの多くは
ビオディナミ農法か、ビオロジック農法を採用しています。
私が愛してやまない、Claude Courtois クロード・クルトワ。
彼は自身のワイナリーを
「Les Cailloux du Paradis レ・カイユ・デュ・パラディ =楽園のカイユ(土壌)」と
名付けられています。
彼は自信の楽園を守るために、国と戦いながら、ワイン作りを行ってきたのは有名な話。
「自分の食べる分を自分で作ることはごく普通のことだった。
そして余暇でできる得意なこと、私の場合はワインだったわけだが
それで人が喜んでくれるのは嬉しいことだ。
人生はそれだけで良いのだ」
そう語るクロード。
そう、ナチュラルワインは畑で生まれるのです。
◇参考文献
日本で初とも言える、ナチュラルワインの関する専門書
大橋健一Master of Wine 著 「自然派ワイン Vin Naturel」
FESTIVIN 著 「Natural Wine」
Les Cailloux du Paradis輸入元、ラシーヌさま
*un deux trois はラシーヌ様の正規取扱酒販店です
http://racines.co.jp/?winemaker=les-cailloux-du-paradis