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韓国の敗退を喜んではいけない。

昨夜行われたアジアカップ準決勝ヨルダンvs韓国。韓国相手に臆することなく攻守ともに勇敢に立ち向かったヨルダンは、韓国のミドルゾーンでのミスを見逃さずカウンターから2発。特に10番を背負うアル・ターマリは韓国相手にドリブルで切り裂き、1G1Aと圧巻の活躍を見せた。一方の韓国は豪華攻撃陣を揃えながらも、ヨルダンの5バックを終始攻略することができなかった。

ボール保持率30%にして、シュート17本(枠内シュート7)を放ち、効果的な試合運びを見せたヨルダンの戦略的勝利。この日の韓国は、まさかの枠内シュート0だった。

多くのサッカーファンがこの結果に衝撃を受けただろう。ただ日本のサッカーファンは、ライバル韓国の敗退を喜んで良いのでしょうか?

--日本は強豪?--

田嶋会長「我々がドイツに勝ったり、スペインに勝ったりするのと同じようなことがアジアでも起こるということ。そういう意味では逆に良い引き締めるチャンスにしたい」

アジアカップ準々決勝イラン戦後
報道陣の取材に対し

田嶋会長はイラン戦後、このような発言を報道陣へ行っていた。確かに日本は欧州で活躍する素晴らしい選手を擁していることは事実。しかし今大会ではイラク、イランを上回ることができず、大会を通して2敗8失点。そもそも日本は、アジア勢ではドイツ、スペインのような立ち位置と言っていいのか疑問である。

2022年W杯では守備的な戦いで、交代カードを駆使しながらギアを入れ、粘り勝ちで波乱を起こした。森保第2次政権では、W杯優勝を目指すと公言し、自分たちで主体的に相手を崩す攻撃的サッカーを目指してきた。しかし、イラクやイランでさえ攻略できず、思い返すとW杯では主導権を握りながらもコスタリカに破れている。スペインが7-0で破った相手だ。日本がスペイン、ドイツを破った時の強みは「粘り強さ」であった。

主体的に相手を崩す攻撃的なサッカーを目指すのであれば、どのようにボールを前進させるのか、前進させるための立ち位置はどうするのか、相手のどのスペース、エリアを狙って攻撃するのか等、監督やコーチが分析し、選手へ落とし込み、トライしなければない。その積み重ねが日本のアイデンティティとなり、日本サッカーを前進させる。このサイクルができないのであれば、これだけのメンバーを揃えながらも、「日本らしさ」を見出せずにまた同じことを繰り返してしまう。選手の即興には限界があると証明された今、森保監督はデザインしなければならない。それができないのであれば、戦い方を考え直す必要があるのかもしれない。

「アジアカップでは、日本をリスペクトして戦い方を変えてきた相手に負けたよね。」と言う考え方では今後の日本サッカーは停滞する。だからこそ日本が敗退したのなら、アジアカップは韓国が優勝して「韓国はアジアを攻略できました。日本はどうだった?」という構図で危機感を与えて欲しかったのだ。韓国の敗退をただ喜んで「アジアは全体的にレベルが高くなった。引き締めよう。」では済まされない危機的な状態であることを日本のサッカーファンは認識しなければならない。

長期政権を担う森保監督の今後の積み重ねに注目だ。

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