防災訓練いろいろ①
昨日のnoteに「自然災害に対する不安と支援」という題で、障がいのある利用者感じる自然災害に対する不安とそれに対する向き合い方を書きました。今日は、事業所としての自然災害に対する取り組みを紹介します。
なお、写真は以前の写真を使っています。そのためマスクの着用がありません。
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。法人には、日中活動を提供する事業所や生活を支援するグループホームがあります。そこでは、毎月テーマを決めて防災訓練を実施しています。私の法人の防災訓練では、利用者の皆さんに災害が自分に関係あることだということを感じていただくことをだいじにしています。そのため、いろいろな工夫を凝らした防災訓練を取り入れています。
グループホームで地震が起きたら
テーブルの下にもぐる、そこだけに重点を置いていたら危険なことがありました。
まずは普通の防災訓練です。写真は、グループホームで、地震が起きたことを想定した防災訓練をしています。ここでのポイントは、テーブルの下にもぐってもすぐに出て来ない、ということです。支援者の中に、阪神淡路大震災を経験した人がいます。その人の教訓から教わったことです。
しかし、盲点がありました。東日本大震災の余震でのことです。東日本大震災のときは、大きな地震の後もたびたび余震がありました。夜の12時ごろに余震があったときのことです。グループホームの入居者が、地震でゆれている最中、自分の部屋からリビングまでふらつきながら歩いて来ました。この利用者は、足に障害があるためなおさら不安定な歩き方になってしまいました。
支援者があわてて支えに入りながら話を聞くと、リビングのテーブルの下にもぐろうとしたと言うのです。その人は、いつも避難訓練でリビングのテーブルの下にもぐっていたので、そこにもぐらなければいけないと思っていました。
グループホームの場合は、リビングですごすだけでなく、各自の居室ですごす時間があります。自分の居室で地震が起きたとき、という想定を忘れていました。
避難所へ避難する
ヘルメットをかぶる、というのは意外に難しいことでした。
この写真は、日中活動で避難所に避難する練習をしています。この訓練で難しいのは、ヘルメットをかぶるという練習です。ヘルメットは、かぶるだけでなく、あごひもをしっかりあごに掛けて固定しなければいけません。そのためあごひもの長さを利用者の頭や顔の大きさに合わせて調整してあります。
ここで難しいのは、自分のヘルメットをかぶるということです。ヘルメットには名前が書いてあります。しかし、名前を見分けるのが難しい利用者がたくさんいます。名前を書くだけでなく、置く場所を一定にするなど工夫をしています。しかし、不十分です。そこである支援者が、利用者と一緒にヘルメットに絵を描き始めました。
一発で自分のヘルメットがわかります。
防災訓練の目的
ただ避難するだけでなく、それぞれが役割を主体的にこなすことがだいじです。利用者の皆さんの役割は「まず自分の身を守る」ということです。そこに主体的になれるような工夫をしています。(つづく)
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