グループホームが２階建てなわけ

2020年9月21日 20:10

派遣社員による人材確保を始めました。

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。いま、支援者の確保に苦慮しています。人材確保のための広告費に多くの予算を投じています。しかし、なかなか成果があがりません。

支援者不足は、私の法人だけではありません。福祉業界全体の課題です。先日、区内の法人の集まりがあり、そこで派遣社員で成果を上げている事業所の話を聞きました。そこで、私も導入をすることにしました。

グループホームの支援者募集

私が経営する事業所の一つにグループホームと言い、障がいのある人が支援者と共同生活を送る事業所があります。グループホームは生活の場です。365日、夕方から翌朝までの支援です。さらに休みの日は、日中の支援もあります。

グループホームでは、数名の正規雇用と非正規雇用の支援者でシフトを組みます。正規雇用の支援者だけでシフトは組むことはできず、週に１～２回、勤務をしてくれる非正規雇用の支援者が必要になります。今回、その部分を派遣社員にお願いしようと思っています。

非正規雇用で働いてくれる人は、比較的年配の人が中心です。そのため、私の法人では、定年を70歳にしました。おかげで募集をすると多くの応募があります。しかし、なかなか雇用につながりません。私の法人のグループホームは２階建てです。応募者の多くは、その２階建てが辛いと言います。

以前に雇用していた支援者は、階段の下から２階の入居者に向かって、叫んで言いました。
「〇〇さーん、降りてきてくださーい」

_無題

夕ご飯のときは、下から呼ぶとすぐに降りて来ます。しかし、朝は、なかなか降りて来ません。一人を起こして、下に連れて行き、また一人を起こしに上に行きます。１階と２階の往復が日に何度もあり、これが辛いと言います。

しかし、入居されている人にとっては、２階に自分の部屋があるということに意味があります。

以前は別の物件で、そのときは平屋のグループホームでした。真ん中にリビングがあり、その周囲が入居者の居室でした。この作りは、死角がないという利点があります。その代わり、居室から出ると、常にリビングに支援者がいて、監視されている感じがします。

そこで、新しくグループホームを建てたときに２階建てにしました。１階には、常に支援が必要な人が生活し、２階は少しだけ支援が必要な人が生活できるようにしました。

私も、数年前までは毎週、グループホームに泊まっていました。仮眠をしたあと、２階までお越しに行くのはたいへんなことでした。足がパンパンになっていました。下から叫びたくなる気持ちがよくわかります。

先日、派遣会社の担当者とお会いしました。募集をかけるにあたり資格とかありますか、と聞かれたので、資格よりも体力重視で、とお願いしました。