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日中活動に親が来る…嫌だよね。

私は、障害福祉サービスを提供する日中活動事業所を経営しています。日中活動に参加する障がいのある人は基本、18歳以上です。その日中活動は、働く場所という役割も持っています。そこに家族が来ることがあります。そうすると、利用者本人は嫌な顔をします。支援者は、そこに敏感になれません。

日中活動の歴史をさかのぼると、小規模な事業所の多くは、障がいのある人の家族が自主的に始めました。そのころは、家族の協力がなければ運営できませんでした。家族が支援者の代わりをしたり、掃除や食事作りをしていました。しかし、今は制度が整い、そのようなかかわりの必要はなくなりました。それでも支援者は、家族を日中活動に呼ぶことがあります。

家族に来ていただく一番の理由は支援計画の説明です。制度上は、支援計画の承認は本人です。しかし、家族も知りたいし、支援者も家族に知って欲しいと思います。そこで家族に来ていただいて説明をします。以前は、ご家族に来ていただくことがあたりまえでした。最近は、郵送で済ませて来ていただくことを最小限に抑えるようにしています。

利用者の立場に立てば、日中活動は家族の目から解放された場所です。そこに家族が来て、支援者と話をしていれば、何か告げ口されているのではないかとかんぐります。その点に配慮しなければいけません。

面接をするときは、ご本人も一緒に面接をします。しかし、多くの場合、ご本人は途中で退席し、支援者と家族で話をします。すると、話が盛り上がり、話が長くなります。利用者はどんどん不安になります。家族との雑談で信頼関係を築くことは大切です。しかし、面接をコントロールするスキルも必要です。

利用者にとって、相談室で自分の親と担当の支援者が話をしていることほど嫌のことはありません。家族は、本人を支える社会資源のひとつです。本人の気持ちを十分に理解した面接とチーム形成が必要です。

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