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「あたりまえ」を捨てよう(自分をバージョンアップ)
先週、二日間に渡って、サービス管理責任者の研修に参加してきました。そこで障害福祉サービスの基礎的な制度と相談援助の基本を学びました。
その講義の中で講師がこんな問いかけをしました。
あなたはバージョンアップしていますか?
制度も人の価値観も目まぐるしく変わる時代です。「支援」という仕事に就く者は、その状況に合わせて的確に変化していかなければいけません。専門知識も状況に合わせて書き換えて使わなければいけません。もう一般論という甲冑を着ている時代でもありません。
多様性について
私たちは朝、人と出会うと「おはようございます」というあいさつをします。しかし利用者の中には第一声が「おはようございます」ではなく、自分の言いたいことで始まる人がいます。大きなパワーで言いたいことをぶつけてきます。
たとえば、この時季「暑い、暑い、あぁ暑い」とぼやきながら来る利用者がいます。少し不機嫌そうです。また、朝来るなり「チャーハン食べたーい、チャーハンね」と連呼し、同意を求め続ける利用者がいます。この利用者たちが共通して求めているのは共感です。そのようなときには、同じ言葉を返します。
それに対して、一般論で「ねぇ、おはようございますは? まずはあいさつでしょ」という対応をしてしまうことがあります。利用者は、共感を求めているのに支援者はしつけをしようとしています。この先はお互いが嫌な思いをします。
あいさつをするのは当然です。それを伝えることは正しいことです。しかし、この場面で利用者は切羽詰まっています。この場合は、気になって仕方ないことがある、だから共感してと欲しいと訴えています。
利用者が「チャーハン食べたいね」と言ったら「チャーハン食べたいね」と返します。「暑い、暑い」と言っていたら、「暑いねー」と返します。それからあらためてあいさつをすることを伝えます。
いろいろな利用者がいます。障害が邪魔をして、どうしてもできないことがあります。多様性を理解して、自分のあたりまえを見直すと良い支援ができます。
それがバージョンアップです。