あいさつは、私は仲間ですという意思表示(中野校での学び番外編)
早稲田大学エクステンションセンター中野校で開講されている講座に定期的に参加しています。講座はアドラー関係と教える技術です。ともに講師は、早稲田大学人間科学学術院教授の向後千春先生です。これらの講座の面白さは、メインテーマの他、本筋から離れた先生の話です。そんな中のひとつを紹介します。
あいさつは、私とあなた仲間ですという意思表示だと教わりました。ゆえに相手があいさつを返してくれないと腹が立つのだと言います。
私は、障がいのある人たちに福祉サービスを提供しています。以前、このあいさつをめぐって利用者に大変失礼な態度をとっていました。
2000年ころ「おはよう」というあいさつの代わりに「おはー」というのが流行りました。テレビ番組の影響です。その頃の私は、「おはようございます」とあいさつをしないとゆるせない人でした。あいさつは礼儀正しくしなければいけない、というのが私の信念でした。
朝、利用者が事業所に来ると、明るく「おはー」と声をかけてくれました。すると私は、「あいさつは、おはようございます、でしょ」といちいち直させていました。
あいさつは私はあなたの仲間です、という意思表示です。利用者は、私に対して気持ちよく「仲間だよ」と意思表明してくれているのに対して、私は言葉だけに注目し注意していたことになります。そのせいで嫌な気持ちになったり残念に思った利用者がいたかもしれません。申し訳ないことをしてしまいました。
近年、福祉サービスは利用してくださる人たちと契約関係になりました。それにより、以前よりはヨコの関係になってきました。しかし、まだまだ支援者と利用者はタテの関係にあります。支援者の中には、あいさつは利用者が先にするものだ、と態度で示している人がいます。また、支援者同士では「おはようございます」というのに、利用者に対しては「おはよう」という人もいます。利用者が自分より年上の人でもそういうあいさつをします。
あいさつは礼儀だからするのではありません。相手に対して、私はあなたの仲間ですという意思表示です。そのことを意識して、一日の始まりを迎えたいと思います。
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