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法務局で受けたVIP待遇

社会福祉法人は、毎年6月末までに、前年度の資産状況を法務局に登記することが義務付けられています。今日、資産登記をしてきました。これで、やっと2019年度が終わったことになります。

社会福祉法人を作る

私は、社会福祉法人を経営しています。今年で15年目になります。今でも法的な手続きでは戸惑うことがあります。それでも法人を作った当初に比べれば少しは成長しました。その一例が法務局とのやりとりです。私は、法務局に苦い思い出があります。

私は、専門学校卒業後、「地域作業所」と呼ばれる無認可の事業所で支援者として働いていました。その後、他の事業所と一緒に今の法人を作りました。社会福祉法人を作るまでは、福祉課のサポートがありました。しかし、法人になると「それは法人さんの責任で…」そう言われるようになりました。その一番の例が法務局の存在です。

法務局に届け出る

私も「法務局」という名称ぐらいは知っていました。しかし、お付き合いをするなんてまったく思っていませんでした。仲良くするのは「福祉局」だけだと思っていました。ところが、社会福祉法人を経営するには、すべて法務局に届けなければいけませんでした。言い訳をします。そんなこと、誰も教えてくれませんでした

法人を立ちあげて、半年後に福祉局の監査が入りました。そこでたっぷり指導され、初めて法務局に届け出ることを知りました。それからあわてて法務局に行きました。

法務局でもいろいろ教わりました。しかし、何を言われているのかさっぱりわかりませでした。何度も何度もやり直しをさせられました。午前と午後、一日に2回、また二日続けて法務局に行ったこともあります。やがて私は法務局でVIP待遇を受けるようになりました

VIP待遇

その1.私専門の担当職員がついた
その2.個室が用意された

当時、法務局の相談コーナーは、カウンターでの対面でした。それぞれが番号をとり、順番を待ちます。待合席で待っている人も3、4人です。ところが私が相談に行くと、待合席に座れなくなるぐらいまで人があふれました。そこで、法務局の人に言われました。
「クローバー(法人名)さんは、お時間がかかるので、予約にしましょう」
それ以降しばらくの間、私は、別室で1対1で同じ担当者から個別指導を受けました。

そのころ、担当者からは、日本語で話しかけられているのに、まったく意味がわかりませんでした。

法務局の人「こちらは、ゲンポンでよろしいですか?」
私「原稿?」
法務局の人「ゲンポン、原本ですか?原本ですと原本還付の手続きが必要になりますね?」
私「…?」
法務局の人「それでは、ここに「原本にソウイありません」と書いてください」
私は言われたとおりに「原本に総意ありません」と書きました。

そうしたら、字の違いを指摘されました。「総意」ではなく「相違」でした。そのとき「二本線で消して、その上に二字抹消二字挿入って書いてください」と言われました。「相違」が書けない人が、「抹消」や「挿入」が書けるはずありません。何度も何度も修正をして、最後に言われました。
「いったんこれで受理しますので、明日、きれいな物を持って来てください」

少しは成長しました

他にも、理事の任期が切れたまま届出を忘れていたり、期日をまちがえていたこともありました。また、勝手に書式を変えてはねられたこともありました。役所の書式はバランスが悪く、見づらいです。それを上下左右のバランスを直したら、受け取ってもらえませでした。

今ではトラブルなく、手続きを済ませられるようになりました。数年前の大きな法改正のときも、法務局の説明を理解することができました。少しは成長をしました。

それでも、法務局の建物の前では、いまだにかまえてしまいます。

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