オンラインによる福祉サービスを考える
対面によるサービスが基本の福祉サービスにおいてどのようなオンラインサービスができるか、また既存の業務をオンライン化できるかを考えています。
私は、先日まで脊椎管狭窄症の治療のために入院していました。ちょうどタイミングが良かったので、オンラインによる会議や利用者との面談を実施しました。
オンラインによる会議
私が入院前、入院中にオンライン会議をすることを提案したところ、ある職員は、とても嫌がっていました。理由は「パソコンが苦手だから」というものでした。私は「オンライン会議にしなかったら話、聞かないからね」と半強制的にオンライン会議を強行しました。しかし、やってみると、「その場で話をしながら資料を直せる」とか「会話が録音されている」と、評価は上々でした。
ただ、残念だったことは、コロナの影響で途中から病院のデイルームが閉鎖されてしまったことです。そのためパソコンをひろげながら会議をすることができなくなってしまいました。
しかし、あらためてこのオンラインによる会議の有効性を実感することができました。私の経営する法人は事業所の場所が離れています。それを考えると、大幅な移動時間の節約になります。また会議に対する集中力がアップするように感じます。初めて体験した職員は、画面の中に自分の顔もあるから気が抜けないと言います。これはフリーライダーの防止につながるかもしれません。
利用者との面談
利用者はタブレットの中にいる私に、なんの抵抗もなく話しかけてきてくれました。
「あっ、髙橋くんだ」「髙橋くん元気?」「いつ来る?」
そのあと、私からその日の活動や、食事のメニューなど簡単な質問をしました。まったく普通に会話が成立しました。これに慣れていけば日常の面談にも活用できます。
また、後日談として聞いた話です。zoomによる面談の様子をクラウドに保存したところ、私が休みの最中、利用者がその動画を繰り返し見て楽しんでいたと言います。
4月からオンラインによる勤怠管理や利用者の記録作成を始めました。その講習をした際、「パソコン操作って苦手なんだよね」、「あ~ダメ、やっぱりうまくいかない」と逃げ腰の職員が複数いました。しかし、そう言っているとデジタルデバイドが広がる一方で何の解決にも至りません。
私たちは、目の前にいる利用者を支援することが一番の責務です。しかし、その利用者の将来についても支援をしていくことが望まれます。そのためには事業を継続することを考えていなければいけません。これからの時代に即した福祉サービスを提供するために、できることからをオンライン化していくことが必要です。
ひとつ考えたことがあります。毎年、インフルエンザの季節になると、高齢施設はすべての面会が禁止されます。私もお袋に会えなくなります。たとえば、各フロアにタブレットがありオンラインでつながったら接触なしで面会ができます。自宅からは、私だけでなく、子どもたちもお袋に会うことができます。また、ホームのロビーにタブレットを常備しておけば、操作のわからない人でも面会をすることが可能です。さらに差し入れを持って行った際、直接、渡すことはできなくても、タブレットを介してその場で喜びを分かち合うことができます。
こんなふうに取り入れられることを考えていきます。