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心に傷を残しておくことも必要です
私たちは、意識せずに偏見を持っていたり、それにより失礼な態度に出てしまうことがあります。
私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。今は、横浜で働いています。初めは、地元にある小さなの障害福祉サービス事業所に就職をしました。そのころ大変失礼なことをしてしまいました。
就職してすぐのこと
私が、その事業所に就職をしてすぐのことです。ひとりの女性利用者が、事業所を辞めて一般企業に就職をしました。その後、しばらくしてその女性から相談したいことがあると電話がありました。私は、仕事が終わったらお茶でも飲みながら話をしようと提案をしました。
約束の日、その女性は他の人にも会いたいからと、少し早めに事業所に来ました。そこで私の仕事が終わるのを待っていてくれました。ほどなくして、私の仕事が終わり、彼女に声をかけました。
「お待たせ、お茶、何飲む?」
「なに、どうしたの?」
彼女は、うつむいて何も答えてくれませんでした。
仕事が終わったらお茶を飲もう…
彼女は、どこかのお店でお茶を飲みながら話をしようと思っていました。
私は、電話で「仕事が終わったらお茶でも飲みながら話をしよう」と言いました。仕事が終わったらと言ったのに、私は、彼女を作業室に座らせて話を聞こうとしました。これでは、まるで仕事の延長です。また、もしかしたら彼女は、知っている人に話を聞かれたくなかったのかもしれません。失礼なことをしてしまいました。
心に傷を残しておくことも必要
これは30年以上前のできごとです。しかし、このときのことはしっかり記憶に残っています。また、忘れないようにしようと思っています。少しぐらい心に傷を残した方がいいのかもしれません。
先日、noteで以下の記事を拝見しました。
今でも、自分の価値観を利用者の皆さんに押しつけていることがあります。押しつけないまでも、他人の価値観を認められず、モヤモヤすることがあります。そんなときは、自分の傷をなでながら、この仕事に就いたころのことを思い出すようにしています。