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連絡帳ってなんで書くの?(我が家でスーパービジョン)
最近、我が家では夜ごと、スーパービジョンが展開されます。福祉業種におけるスーパービジョンとは対人援助におけるスキル向上を目的とした教育システムです。
10月に私の家から5分のところに高齢者向けデイサービスができました。女子大生の長女がそこでオープニングスタッフとして働き始めました。その後、11月から高校生の次女もそこでアルバイトを始めました。今は、二人とも仕事に慣れ、いろいろなことに疑問を感じ始めたころです。
ケース会議からスーパービジョンへ
7時ころ、私が仕事から帰って来ると、長女と次女がリビングでお茶を飲みながらケース会議を開いていました。私はそのまま浴室に行きます。しばらくして、私が風呂からあがると、「あっ、お父さん、お風呂から出た」と言い、少し話の口調が変わりました。それまでは、具体的に個別ケースを話し合っていたようです。その後、私がリビングでお茶を飲み始めると第2部が始まります。子どもたちがぶつけて来る悩みは、いつも心に刺さります。
「連絡帳って、どこまで書けばいいの?」「なんで書くの?」これが今回の子どもたちの悩みでした。福祉業界では、利用者の家族と支援者の間に「連絡帳」が存在します。これは暗黙の了解です。しかし、支援者にその目的を突き詰めていくと答えはあやふやです。「えっ、書かなくていいんですか?」と、反対に質問されます。
また、そこに書かれていることは、「今日は、〇〇をしました」「食事を全部召し上がっています」などその程度だったりします。これをある一定の時間に書かなければいけません。しかし、この間に危険なことが起きます。
連絡帳を書くときのリスク
連絡帳を書くのは、その日の活動が終了する間際です。その場にいる支援者が手分けをして連絡帳を書きます。その間、その場にいる利用者の把握が手薄になります。
子ども達に、「どうして連絡帳を書くの?」と聞くと、「知りたがる家族がいるから、でも、どうして自分で話ができる利用者の分も書かなくちゃいけないの?」と言われました。
私は、障がいのある人が利用する事業所の社会福祉法人を経営しています。事業所を使う利用者の中には、連絡帳に何か書かれることを嫌がる利用者がいます。また、支援者が連絡帳に書いた一言でトラブルになったこともあります。
連絡帳を書くということは、リスクがあるということをわかったうえで書かなければいけません。
連絡帳に書く内容は本人に聞く
私も連絡帳を書きます。そのときは、ご本人に「ご家族に伝えることはありますか?」と聞いてから書きます。利用者がそれに答えるかどうかは別問題です。また、書いたあとは、書いたことを読み上げて確認を取ります。
支援とサービスを考える
ご家族の知りたい要望もエスカレートしていくことがあります。以前、私の事業所では、事業所の旅行中に写真を撮って送って欲しいという希望がありました。お断りをすると「養護学校の先生は修学旅行のときに送ってくれました」と言われてしまいました。
なんのために支援をするのか、サービスとは何かということを考えていかなければいけません。常に目的を意識することが大事です。