テーブルを拭く
昔、ファミレスでアルバイトをしているとき、テーブルの拭き方を厳しく教わりました。とてもだいじなことです。しかし、長い年月の中で意識しなくなっていました。それを思い出させてくれることがありました。
利用者に教えてもらったこと
「あらっ、手になんか着いた、ここベトベトしているんですけど」ある利用者が教えてくれました。作業テーブルの一角に粘着質の物がこびりついていました。以前、ガムテープで修理したところです。ガムテープが剥がれ、粘着物が残っていました。
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。その事業所の一つでのできごとです。以前、作業テーブルの角の合板がはがれていました。それは、私が見つけました。そのころの私は、腰が悪くイスから立ち上がるのが大変でした。テーブルがあればその端につかまって立ち上がっていました。そのときにテーブルのはがれが気になりました。若い人は、立ち上がるときになんの抵抗もなく立ち上がることができます。他の人は気にならなかったのだと思います。
見ているようで見ていない
テーブルの角の合板がはがれていると、そこをつかんだときに木のカスが棘のように手に刺さることがありました。現場の支援者にお願いをして直してもらいました。体の状況によって設備への配慮が異なります。利用者の中には、私と同じように近くにある物につかまってから立ち上がる人がいます。立ち上がるのに苦労しない人にはその状況がつかめません。
今回は、そのときに留めたガムテープがはがれたことによりテーブルがべとついていました。気がつきませんでした。見ているようで見ていないこと、見ようとしていないことがたくさんあります。
ファミレスのバイトで学んだこと
私は、学生時代にファミレスでアルバイトをしていました。そこで、お店のマネージャーから教わったことが今の福祉の仕事で活かされています。その中にテーブルの拭き方があります。しかし、それを現場の支援者に伝えることを怠っていました。また、私も、自分が掃除を担当している事務室と会議室以外のテーブルには気配っていませんでした。
マネージャーからは、テーブルを拭くときはテーブルのふち、テーブルの裏を拭くように指導されました。人は、思っている以上にテーブルのふちを触ります。テーブルのふちを触ったとき、テーブルのふち、その裏に食べかすが付いていたらそのお客さんはその店には来なくなる、と言われました。
お店が忙しいとき、お客さんが待っているときは、早く次のお客さんを入れようと思い、テーブルの拭き方が雑になります。それをマネージャーに見つかり何度も注意されました。
裏をきれいにする
私たちは、意識しないと見える所だけを整えて終わりにしてしまいます。見えないところがだいじです。福祉サービスを利用される方は、嫌なことがあってもそれを口にしないことがあります。嫌なことを自分の中にしまって我慢していることがあります。気がついたときはすぐに改善しなくてはいけません。
テーブルを拭き方を伝えていたら、また、私が意識して備品を見ていたら、利用者が手に粘着物をつけることがなかったと思います。ひさしぶりにだいじなことを思い出しました。
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