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「自粛」を支援する
自粛、不要不急の外出をひかえる、そう言われてもどうしていいかわからず困っている人がいます。
私は、障がいのある人が利用する障害福祉サービス事業所を経営しています。事業所は、「家」にあたるグループホームと、「職場」あたる日中活動です。行政からは、ともに円滑な事業継続をするように求められました。しかし、感染拡大および重症化が予測され判断に困ります。
緊急事態宣言の発令が明確になった04月06日(月)から、毎日、その対応について、議論をしてきました。当初は、日中活動を休止して、グループホームのみの事業継続を考えました。しかし、議論を重ねた結果、当面は通常の事業継続となりました。利用するかどうかは、利用者とご家族の判断にゆだねます。
この議論を継続していく中で、自粛について考えました。自粛を辞書で引くと「自分から進んで、行いや態度を慎むこと」とあります。ある視点では、とても相手を尊重した表現です。しかし、ある視点では、責任転嫁をした表現でもあります。
一口に「障がい」といってもいろいろな状況があります。自粛してください、不要不急の外出をひかえてくださいと言われて、混乱をしている人たちがいます。
自粛ムードが高まった先週末、グループホームで生活をする人たちから電話が相次ぎました。
「自動販売機にジュース買いに行っていい?」
「コンビニにポテトチップス買いに行っていい?」
「散歩の途中にコンビニあるんだけど、それって、行ってもいいのかなぁ」
「自粛ってテレビで言ってたけどさぁ、何すればいいの?」
休日の昼間は、すべてのグループホームに支援者がいるわけではりません。支援者は、常に支援が必要な人がいるホームにいます。支援者に聞きに行くより、髙橋に電話をする方が手っ取り早いのです。
たぶん、人によっては「ダメ」と言われた方が楽な人がいます。自分で判断してください、不要不急はひかえてくださいと言われ、何が不要不急なのかわからず困っています。判断基準は人によって異なります。
今回は、自粛をお願いするような結論しか出せませんでした。これからは、不要不急を一緒に考え、自粛の支援を始めます。