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接遇マナーを学ぶ⑤/接遇マナーと人権の関係(まとめ)
仕事で実施した、接遇マナー研修に関することを書いています。今日は、まとめです。
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。私たち支援者は、人権に関する研修を受講することが求められています。そこで、今年は講師に来ていただき「接遇マナー」というテーマで研修を実施しました。しかし、参加者からは「接遇マナーって人権と関係があるの?」という質問がありました。
認知技能・運動技能・態度技能
今回の研修では、講義だけではなく、実技も実施しました。まずは、福祉制度の変遷と人権について話を聞きました。その後、あいさつや名刺交換、またチェックリストに基づいて自分の身なりをチェックしました。
前半の講義で聞いたことは、認知技能です。実技で学んだことは、運動技能です。さらに、座学で学んだことを理解して、実技で学んだことを適材適所で用いるスキル、それが態度技能としての接遇マナーです。この場面でこの人に対してどのようなふるまいするか、それをコントロールすることです。
正しいふるまいを知っているのに使わないということは、その相手を大切にしていないということになります。支援者のふるまいが相手の格を決めています。相手を大切にする、格を重んじるということが人権です。
自己肯定感を高めるような応対
支援を受ける人は、自分でできないことを支えてもらうため、自己肯定感が下がりがちです。その状態に対して支援者が失礼な対応をとると自己肯定感はよけいに下がってしまいます。
支援者は、利用者が自己肯定感を高められるようなかかわりが必要です。
相手に失礼にあたらないようにするために、今回は基本を学ぶことにしました。また、基本を学び、その基本通りにふるまう、そのふるまいを習慣にすることで、誰に対しても失礼のない対応ができます。基本を知らなければふるまうことができません。
相手を大切にする
ただし、基本だけを身につけていればいいわけではありません。基本のうえに相手を大切にする気持ちを意識します。相手を大切にするとは、相手の存在を大切にすることです。以前、こんなことがありました。
ある支援者が、ご家族と一緒に利用者の通院に同行しました。その日は、検査結果を聞く日でした。ご家族は、後期高齢者で、歩くのも難儀ででした。それでも、自分の子どものことが心配で医師の話を聞きに検査結果を聞きに行きました。
担当医から説明を聞いているときのことです。説明は、専門用語多いうえ、ご家族は耳が遠く何度も聞き返しました。すると同行した支援者がご家族に言いました。「後でていねいに説明します、。そう言って担当医と支援者だけで話をしてしまいました。ご家族には、終わってから説明がありました。
後日、ご家族が「せっかく行ったのに自分は何のために行ったのかわからない」と言っていました。
限られた時間、混雑をした病院では、難しい判断です。しかし、ご家族が自分は大切にされていないと感じてしまったことも事実です。
接遇マナーを身につけるのは人権意識の入り口
接遇マナーを身につけることは、人権を意識することの入り口です。講義の中で講師は、「だいじなことは前置きで話したことです」とおっしゃっていました。
前置きでは、技術だけではなく相手を大切に思う気持ちがだいじ、と繰り返していました。