見出し画像

通常・自粛・休業/選択のとき

大変難しい局面を迎えています。また足並みがそろわず事業所を利用されている皆さまに大変申し訳なく思っています。

私は、障がいのある人が利用する福祉事業所を経営しています。今、この状況の中で、通常に事業を行うか、利用の自粛を強く求めるか、一時的に事業を縮小(一部休業)するかゆれています。

行政からは、障害福祉サービス全体に対して、円滑に事業継続を求める文書が出されました。しかし、障害福祉サービス事業全部を一律で考えることに無理を感じています。

障がいのある人が福祉サービスを利用している状況を簡単な図にしてみました。

コロナ

利用者(障がいのある人)は、ご自宅やグループホームから、日中活動事業所(施設)に行きます。行き方は、事業所の送迎車や一般の交通機関、徒歩などさまざまです。グループホームは、平均5名程度の人たちが共同生活をしています。日中活動事業所は規模が大小あり、設備も事業所によって異なります。

感染防止には3つの密を回避しなければいけません。3つの密とは、密集・密接・密閉です。この中で、密閉だけは常に窓を開けて回避します。しかし、残りの2つの密は回避できません。日中活動事業所は事業所によっては部屋が狭く、人と人の距離が近く密集しています。また対人援助なので密接しています。

障がいのある人の中には、マスクが苦手な人がいます、また自分の体の変化を他人に伝えることが上手にできない人がいます。もし、誰かウイルスに感染した人がいるとします。検温をしています。しかし発見が遅れ、濃厚接触が増える恐れがあります。また一つのグループホームの人が、同じ日中活動に行くわけではありません。こうして感染が広がります。さらに利用者の中には基礎疾患があり、重篤化の恐れが非常に高いケースもあります。

今は、障害福祉サービス全部に対して一律、円滑な事業継続の依頼が出ています。しかし、私は、事業形態によって異なる対応が必要だと思っています。少なくても、規模の小さい日中活動事業所に対しては自粛要請をして、グループホームにウイルスを持ち込まないことがだいじです。そうすることによってグループホームの負担が大きくなります。そこに人の補助をつけることが必要です。

もし感染者が出た場合、日中活動事業所はそこを閉鎖し、濃厚接触者は自宅で療養していただきます。しかし、グループホームの利用者に感染の疑いが出た場合、グループホームの利用者は、そこが家なのでそこで他の利用者と一緒に待機します。それが陽性であればホームの中で感染し合うことになります。それだけはどうしても避けなければいけません。

福祉サービスは公共事業です。簡単に自粛することができないこともわかります。知事は、クラスターが発生したら自粛を要請すると言います。しかし、そのときは取返しがつかない状態です。障害福祉サービスをすべて一律に考えると被害が大きくなります。

今、利用者の個別状況を確認しています。明日、そのうえでリスクを考え、BCP(事業継続計画)を立てた決定をします。



いいなと思ったら応援しよう!