
〔アルバイト〕接客で学んだ支援の極意
私の学生時代はアルバイトの連続でした。その中でも一番長かったのは中華料理のファミレスです。さらに、そこで教わったことが今の障害福祉サービスという仕事に活かされています。
そのファミレスでは主に接客を担当していました。最終的にはアルバイトでありながら、店長代行という立場になりました。そのとき、社員さんから受けたトレーニングが忘れられません。
「ホールに出たら、手ぶらで帰るな、同じ道で戻るな」
これはそのときに教わったことです。お客様に呼ばれて、テーブルに行った際、手ぶらで戻るのではなく、空いたお皿を下げて来る、また戻る時はホール(客席)を一周してホールのお客様の状態を把握しなさいということです。
この教えが障がいのある人の支援場面で役立っています。たとえば、何かの用事で作業室に入ったとき、その用事だけを済ませるのではなく、必ず作業室全体を見渡します。利用者が活動している様子を確認して必要な対応をします。
利用者の様子を確認するときは、
手をふる
目を合わせてほほ笑む
肩に手を置く
「お疲れ様」と軽く声をかける
すべてちょっとした仕草です。おおげさに声をかけると流れを変えてしまいます。
意識をして見ることによって支援のチャンスを逃しません。
まれに利用者と、ガッツリ目が合うときがあります。私のことを見て!というアピールです。その瞬間を見逃さない、それが極意です。