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日常生活にある「情報の非対称性」

支援においては、情報の非対称性を意識する必要があります。情報の非対称性とは、サービスを提供する側とサービスを受ける側では知識や情報に差がある状態を指します。障害者差別解消法が施行されたり、情報アクセシビリティが重要視される今、正しい情報をわかりやすく伝えるということは大切な支援の一つです。

福祉サービスにおいて情報の非対称性が問題視されるようになったのは、福祉サービスが措置から契約に変わった頃からです。それまでは、知らなくても仕方がないということが多々ありました。今は、契約時に正しい情報を説明しなければいけません。(そのかわり、利用者からはわずらわしい、という声もあります)

契約場面における情報の説明は徹底されるようになりました。しかし、日常の支援場面では、まだまだ情報の非対称性は解消されていません。つい意識するのを忘れてしまいます。またそこを指摘すると、細かいこと言って、と煙たがられます。しかし、利用者からすると大事な問題です。

日中活動においては休憩時間の提示という例があります。下請け作業をしていると、支援者はきりがよいところまで作業を続けたいと思います。しかし、その意図は利用者には伝わりません。ある一定時間作業を続けていると利用者の体内時計は、そろそろ休憩時間ではないかと思い始めます。すると利用者はソワソワし始めます。それは見た支援者は、集中しなさいと注意します。ここに情報の非対称性が存在します。

ある、利用者がこう言いました。
「ここはころころ予定が変わるからボクは嫌です」

自分が言葉の通じない、生活習慣が異なる外国に行ったときの不安や、子どもが食物アレルギーをもっていることを考えるといいのかもしれません。情報の非対称性は日常にたくさん存在します。意識しなければいけないことの一つです。

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