教える技術と支援(支える技術)の共通点を探す(教える技術 4回目より①)
01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方考えて書いていきます。
4回目からは、コースの設計です。まず前回の講義についての質問に答えたあと、コース設計について説明がありました。その後、ワークで自分が教えたいコースについての設計を始めました。
今回、コース設計を始めて、あらためて感じたことがあります。それは、教えることと支援する(支える)ことは共通点が多いということです。今回はその点をまとめ、教える技術は対人援助をする者にとっても必要なスキルであるということを書きます。
教える技術では、教えるための道筋を「コース設計」といいます。それに対して支える技術(支援)では「支援計画」といいます。策定から実施におけるの共通点を表にまとめました。
順番に説明します。
主体の変化
教える技術では、主体が教師から学習者中心に変わりました。支援は、支援者主導の支援から利用者主体の支援になりました。以前の教育は、学校の先生が絶対的な権力を持っていました。その権力が暴力になることがありました。私が中学校のときの国語の先生は、ジャージのズボンに上はなぜかワイシャツ、手には竹刀を持っていました。その竹刀で黒板や床を叩き、同じように生徒を叩いていました。それが普通でした。
障がいのある人の支援でも、支援者が支援者の価値観で、利用者をしつけていました。利用者が食事中に食べこぼすと、行儀が悪いと利用者の手を叩き、よだれが多いと、汚いなぁと利用者の口にハンドタオルを押しつけていました。私が実習した施設もそうでした。私もそこで学習し、そういう支援者(当時は先生や指導員)になってしまいました。しかし、これはすべて虐待です。
当時の福祉は指導でした。今は、支援です。私たちの役割は、支えることです。主体は支援を受ける利用者です。
スタート
教える技術も支援も、相手のこうなりたい、そこに注目します。教える技術では、それをニーズ分析といい、支援ではアセスメントといいます。教える人や支援者のこうなってほしい、という思いで教えたり支援をしてはいけません。まずは今の状況をしっかり把握します。それを理想像から差し引いたものがニーズになります。
(こうなりたい)ー(現状)=ニーズ
何を学びたいのか、どんな支援を受けたいのか、そこを明らかにすることから始まります。
教える技術と支える技術は共通点がたくさんあります。(つづく)