【意思決定支援】約束を支援する (研究発表に向けて)
おとなの研究発表会が明日になりました。明日は「障害者支援における意思のくみ取りと尊重についての考察 」というタイトルで発表をさせていただきます。
支援場面においては、利用者の意思決定を支援することと、その意思を尊重することが大原則です。しかし、実際の支援では、意思を十分にくみ取ることができなかったり、支援者の意思が強く反映されてしまうことがあります。日常あたりまえにおこなわれる、「約束」という行為にも注意が必要です。
私たちは利用者さんと約束をします。でもそのほとんどは、支援者からのお願いだったり、命令です。
約束が成立するのはお互いが対等な場合です。さらに相手に拒否権がなければいけません。でも実際の支援場面において約束は一方的です。
「いい、わかった?、約束ね」
さらにその約束が守られないと支援者はこう言います。
「約束したよね?、なんで守れないの?」
このやりとりの中では、利用者さんの意思は全く尊重されていません。
利用者さんと支援者が約束する場合の多くは、支援者の都合の良いように支援したいときです。たとえば日中活動先にお金をいくらまで持ってきても良いかという場合です。支援者は万が一のことを考えて金額を制限したいと考えます。利用者さんも何かあったら困るから持っていたいと言います。すると支援者はこう言います。じゃ自己責任でお願いします、。
自分でお金を持ってきたいと言っているのだから、意思を尊重しています。と、言い切ってしまうと支援ではなくなってしまいます。お金がなくならないように、自分の決断が間違っていたと思わないような工夫をする必要があります。
この場面では、お財布を持ってきたらロッカーにしまってカギをかけてもらうようにお願い(約束)をします。しばらくの間、支援者はその利用者さんが出勤してロッカーにお財布をしまい、カギをかけたことを確認したら言葉をかけます。
「カギをかけてくれてありがとう、これで安心ですね。」
「約束」はただ締結することが目的ではありません。その約束を守ることができるように支援をすることです。
このようにして、意思決定についてこの研究をとおして考えていきます。
https://cricenter.wordpress.com/2018/12/25/otonaken-20190126-2/