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不安や恐怖に寄り添う

東日本大震災以降、地震に敏感に反応してしまう利用者がいます。小さなゆれやテレビで地震のテロップが流れると恐怖や不安から、すぐに連絡をしてきます。

「髙橋さん 地震3」
「地震 来る」
「地震 大丈夫」
そんなメールが続きます。

恐怖や不安に寄り添うことは難しいです。

以前のやりとりです。関東でも横浜から離れた場所で震度3の地震がありました。その直後に電話があり、利用者は「地震来るかなぁ」と繰り返していました。私は「大丈夫だよ」、そんな応対をしました。しかし、その日の夜、また別の場所で地震があり、その利用者はもっと大きな不安にかられてしまいました。

日常会話では頻繁に「大丈夫」という言葉を使います。しかし、その「大丈夫」には根拠がないことがあります。不安や恐怖の度合いは人の経験値よって違ってきます。「大丈夫」という言葉も相手からしたらあしらわれたように思うこともあるのではないでしょうか。

同様に天候が不安定になってくると不穏になる利用者がいます。天気がくずれそうな日は外に出られなくなってしまいます。それに対して支援者は、「大げさだよ」とか「これぐらいの天気でなに固まっているの」と言ってしまいます。その対応に対して注意をすると、支援者は「甘えているだけですよ。車で送って欲しいんです。」と言います。

私は極度の暑がりです。天気予報で、今日は猛暑です、と言われると一日が憂鬱です。出勤が車で良かったと心底思います。天候がくずれると不穏になる利用者も同じです。人によって不安や恐怖の度合いは違います。それを自分の物差しだけで測り対応してはいけません

支援は予測から始まります。それは支援の対象となる障がいのある方たちの中には予測することが苦手な人が多いからかもしれません。予測ができないと、不安や恐怖は倍増します。その点を十分に理解して声をかけなければいけません。

不安や恐怖に寄り添うのは難しさに悩みます。

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