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【意思決定支援】ご本人に予定を聞く
私が運営するグループホームには障がいのある方6人が入居しています。皆さん昼間はそれぞれ日中活動先があり、そこに行っています。ホームに帰って来るのは16時から17時ぐらいの間です。
ホームに帰って来ると、順番に入浴をした入り洗濯をしたり、もしくは自分のやりたいことをしてすごします。夕飯は18時です。でも全員がその時間に食べなくてはいけないということではありません。
ときどき、行政の関係者や他の支援機関の人が訪ねて来たり、書類の説明とそれにサインをもらうためにやってきます。そういうときはあらかじめ電話があります。でも不思議なのは、ご本人あてでなく、支援者あてに電話がかかってきます。
「今日、夕方、〇〇様の支援計画のご説明とサインをいただきにうかがいたいのですが、何時にぐらいがよろしいでしょうか?」
「それは私に説明しに来るのですか?」
「いえ、〇〇さん、ご本人です。」
これが福祉の世界です。「意思決定」、「人権」と言いながら、ご本人の予定を本人に聞かないで、支援者にたずねます。おかしな話です。
私が、「すみません先にご本人に予定を聞いていただけますか?」と言うと、「玄関先ですぐに終わりますから」、と食い下がる方もいます。まったく気がついていません。
障がいのある方の支援において、利用者本人の意思を尊重すること、ご本人が自分で決めることができるように支援することが大原則です。ご本人と面談をして、今の仕事は満足していますか?他にやってみたいことがありますか?そんなことを聞く前に日常生活をきちんと尊重することから始めなければいけません。