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乱れたタンスの中にも意味がある
昨日は、グループホームで生活されている利用者さんは月、数回の実家への帰省を楽しみにしていると書きました。
しかし、反対にご家族がグループホームに来ることに対しては、多くの利用者さんが嫌な顔をします。自分が、実家に帰るのは嬉しいけれど、親がグループホームに来るのは嫌ということです。
私の法人のグループホームで生活されている利用者さんは知的な障がいがあります。でも皆さん成人です。しかし親からすればいつまでも子どもです。さらに知的な障がいがあるということでその思いは強くなります。
ご家族には遠回しに、ご家族がグループホームに来ることをご本人は望んでいないということを伝えます。そうするとご家族は必ずこう言います。「大丈夫、うちの子はそんなこと気にしないから。気にしてくれたら親離れでとても楽だわ。」
しかしそう思っているのは親だけのようです。
ご家族がホームに来ると、どのご家族も部屋の掃除をしてくださいます。部屋のあちらこちらに置かれた物を一か所にまとめます。さらに洋服ダンスの整理もしてくれます。支援者としては、十分な支援ができず申し訳ないと思いながらお手伝いをします。利用者さんはご家族に怒られて縮こまっています。
ある利用者さんはご家族が帰られると、すぐにタンスの中の物を全部出して、もう一度入れ直します。ご家族から見たらぐちゃぐちゃに見えるかもしれないタンスの中も、ご本人には大事なルールがあるようです。
ご本人のルールを尊重する、これは支援者も忘れてはいけません。正しいのは支援者とはかぎりません。