いのなかのかわず その1
「いのなかのかわず」ということわざがあります。正しくは、「井の中の蛙 大海を知らず」です。私は、いつもこのことわざが気になります。
最近になって、このことわざには続きがあることを知りました。続きは、「されど空の蒼さを知る」というそうです。この続きをつけると解釈がかわってきます。
このことわざの解釈は、一般的には、井戸の中に居るカエルは広い世界のことを知らない、ということから世間が狭いということを指します。しかし、続きを付けることで、その世界に長くいるからこそ見えることがある、という解釈になると言われています。
閉ざされた福祉の世界に光を…
私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。今、福祉サービスを提供する事業所は、風通し良く、社会に開かれた事業所を目指した取り組みがされています。しかし、まだまだ独自のルールが存在します。また、一般の人がその独自のルールを見て、知って、一度は疑問に思っても、福祉職の説明で、そういうことなら仕方がない、となってしまうことがあります。結局は、閉ざされた世界です。
今年は、コロナの影響で新しい支援者の雇用が遅くなりました。今が研修の真っ最中です。その中には、まったく違う分野から転職してきてくれる人がいます。違う世界から飛び込んで来てくれた人は、大きなきっかけを持っています。その人たちが、最初に「ん?」っと思うことを聞きだすことがだいじです。
私は蛙だ…
私は、この仕事について35年が経ちました。この世界のことしか知りません。独自のルールをいっぱい持っています。そこで、ときどきnoteで独自の世界を開示して、自分でも俯瞰して見るようにしています。
福祉サービスを利用している人は、福祉サービスの世界だけで生きているわけではありません。私と同じような、普通の生活を持っています。私たちの仕事は、その普通の生活を支援することです。福祉の世界にお連れすることではありません。
私は、noteで自分の仕事を説明するときに「障がいのある人が日中活動をする場所」と書きます。制度的には「生活介護事業所」と言います。私の法人では、おもに知的な障がいのある、18歳から66歳の人たちが利用しています。その人たちが、毎日、日中の時間に活動する場所です。活動内容は、自主製品を作る創作活動や受注作業の他、生活能力の向上にかかわるような活動と法律で定められています。また、そこにはそこだけのあたりまえやルールが存在します。
明日は、福祉サービスの世界がどんな世界か、具体的に俯瞰します。