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自立を邪魔する福祉サービス

グループホームに入居されている方の支援計画作成のため、定期面談をしました。そのときにお話いただいたことです。

入居者さんからは、これから暑くなるので台所にある冷蔵庫から自由に氷を取りたい、と言われました。

とても簡単な願いのように思ってしまいます。でもいろいろな事情があって悩んでいます。

ことの発端は、数年前に保健所の指導が入り、台所には調理員さんしか入らないようにと指導を受けました。この利用者さんが住んでいるグループホームは、カウンターの横に扉があり台所が仕切られています。その扉の中には入らないようにというのです。(区によってちがいます)それまでは自由に入居者さんが台所に入って、冷蔵庫の中の物を出し入れしていました。

入居者さんによってはご自分の部屋に小さな冷蔵庫を置かれている方もいます。でもこの利用者さんは自分の部屋に鍵をかけることが苦手なので部屋に冷蔵庫を置けないという事情があります。冷蔵庫がある部屋に鍵がかかっていないと別の問題が生じます。

面談をしているときにおっしゃった言葉が印象的です。

「氷もらうのにわざわざ職員に声かけるのもさぁどうかと思っちゃうんだよね。おれ、氷ぐらい一人で取れるし、こぼしたりしないよ。」

残念ながら、福祉サービスがご本人の能力を奪ってしまっています。対策が思い浮かばず悩んでいます。


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