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「しない」という支援、そのための約束
障がいのある方の支援をしています。もう30年以上も経ってしまいました。何年続けていても、ついおろそかになってしまうことがあります。大事なことを忘れないためにここに書き留めます。
私たち支援者は、支援計画を作成し、支援計画に基づいて障がいのある利用者の支援をします。利用者の希望を聴き、それを書面にしてチームでぶれることなく支援をします。
支援計画は支援者間の共通認識だけでなく、利用者と支援者間の共通認識です。別の言い方をすれば、利用者と支援者の間の約束です。
支援計画には、支援して欲しいことを書きます。しかし、障がいがありグループホームで生活をしているからといって、何から何まで支援が必要というわけではありません。反対に利用者にしてみれば支援して欲しくないこともあります。支援計画ではその点も明らかにしなければいけません。
支援者は、自分の思うとおり支援をしたいと思います。その方が効率が良いと思って口を出してしまいがちです。また、利用者は困っていると決めつけて手を出してしまうこともあります。しかしそれがおせっかいになり、疎ましがられることもあります。
自分の子どもころを思い出すと、親に何か言われるたび、「今やろうと思ったのに」とか「いちいち言わなくてもわかってるよ」と反論していたことを思い出します。
利用者は、自分が一番やりやすい方法で、自分のペースで生活をしています。まずは利用者を信頼して口や手を出さない、利用者のやり方を尊重するのが支援の基本です。