トイレットペーパーがなくなるというデマ
トイレットペーパーが品切れになるというデマが流れているというニュースを見ました。
出かける予定がなくなった子どもたちと一緒にテレビを見ていたところ、長女(高3)も言っていました。昨日、学校帰りに大型ディスカウントストアーに行ったら、陳列棚からトイレットペーパーやティッシュペーパーが無くなり、「品切れ」の紙が貼られていたとのことです。
私が子どもころにも同じことがありました。1973年のオイルショックをきっかけとする物の不足が噂され、日本中でトイレットペーパーの買い占め騒動がおきました。これは当時の内閣が原油価格の高騰から、紙を節約しましょうと発表したことと同時期に、大阪のスーパーがトイレットペーパーの特売をおこなった際、広告で紙不足をあおったことが発端です。そこに大勢の人が押し寄せ、さらにそれが新聞報道されたことで全国的な騒動になりました。
当時、私の家はまだ水洗トイレではなかったため、騒動とは無縁でした。水洗トイレではない我が家は、ちり紙(ちりし,ちりがみ)と呼ばれる紙を使っていました。ちり紙はトイレットペーパーに比べてゴワゴワした角ばった紙です。そのころのトイレの隅には、ちり紙が低い台の上に積み上げられていました。
発端となった大阪のスーパーは、ニュータウンにありました。そこは水洗トイレの普及率が高かったことも騒動に起因しています。水洗トイレは水に溶けやすい水溶性の紙でなくてはならず、そのためトイレットペーパーでなければなりませんでした。(ちり紙は水に溶けません)
また当時は、ちり紙交換屋さんというのがありました。「こちらは、毎度おなじみのちり紙交換車でございます。古新聞、ぼろ切れ、段ボール、ご家庭で不要になった…」そんな文句を拡声器で流しながら、トラックが住宅街を走っていました。我が家も、古新聞とちり紙を交換してもらっていました。それも自治体が、古紙回収を始めたことから、すっかり見なくなってしまいました。
休みの日の朝、どこにも行かれなくなった子どもたちとテレビを見ながらこんな話題で盛り上がりました。すると次女(中3)が言いました。
「私たちがお父さんくらいなったら、トイレットペーパーもめずらしくなるんじゃない。ウオシュレットがあたりまえでさ…。」
私は、ウオシュレットは、だめだなぁ…。