自然災害に対する不安と支援
今日は、台風14号が日本列島を横断しています。大きな被害がないことを祈るばかりです。
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。私の法人の事業所を利用される人の中には極端に自然災害を怖がる人がいます。今日は、不安な一日を送ったことと思います。
不安は、予測ができないことから強くなります。私の法人の事業所を利用している人の多くは知的障害を持っています。知的障害があると、得られる情報が制限されたり、偏ったりすることがあります。
台風が近づくと…
台風が日本に近づき、ニュース等で警戒が言われ始めると不安定になってくる利用者がいます。その利用者は、夕方には九州地方に台風が上陸する恐れがあるというニュースを見ました。それを聞いてしまったため、一日中、不安なときをすごしました。
ニュースを見た日は、何度も私のところにやって来て「髙橋くん、台風、大丈夫、帰れる?」と確認をしていました。台風の勢力というものを正しく理解することができません。そのため、頭の中には、常に最悪の状態が描かれるようです。
最近では、7月に熱海で起きた土砂崩れが印象に残っています。その利用者にとって「熱海」という地名は、事業所の旅行で出かけたことがあり、知っている土地です。それだけに恐怖感が増したようです。雨が降るたび「雨、怖い」と気にしています。
地震速報が出ると…
また、自然災害では地震のニュースに敏感な利用者がいます。東日本大震災の恐怖がいまだに残っています。毎年、初詣では「地震が来ませんように」とお祈りし、お守りを買ってきます。そのため、テレビの地震速報を見ると「神様いじわる」と怒っています。
2,3日前の夜に北陸地方で地震がありました。地震速報が流れたとたん、私の携帯にその利用者から「高橋りょうじゅ じしんきた」とメールが来ました。またすぐに同じメールが入りました。もう一度、テレビに地震速報が表示されたのだと思います。地震の状況、震源地の場所を理解できないために不安がいっそう大きくなっています。
その利用者は、地震があった翌日の朝、事業所に来るとまっさきに私のところに来て地震の話を始めました。私は、少し前から地震があるとホワイトボードに日本地図を描き、そこに私たちがいる横浜と震源地を印ます。利用者は、それを見ると少し安心するようです。その日も「地震ここ、横浜ここ」と説明をすると「わかった、大丈夫」と言って作業室に入っていきました。不安を拭い去る支援というのは難しいです。
今日の台風は、今のところ大きな被害も報道されていないようです。皆さんが不安な夜をすごさなくてすむことを願うばかりです。
連続投稿1000日まで、あと8日。