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強化としてのフィードバックとアドラー心理学の正の注目の組合せる(教える技術 5回目より④)

01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方を考えて書いていきます。

5回目は、コースの設計の続きです。コース設計においては、フィードバックを上手に取り入れることが大事です。そのフィードバックには、「強化としてのフィードバック(即時)」「情報としてのフィードバック(KR情報)」「コミュニケーションとしてのフィードバック(学習会全体へのコメント、助言)」の3つがあり、今までに情報としてのフィードバックコミュニケーションとしてのフィードバックについて、その実例を書いてきました。今日は、最後に強化としてのフィードバックについて、アドラー心理学の正の注目と組み合わせて実例を書きます。

アドラー心理学では、他者と良好な関係を作るうえで正の注目を大切にします。正の注目は、特別なことではなく、普通にしていることに注目するということです。何か特別に良いことをしたときにだけ注目をするのではなく、日常で普通に生活をしていることに注目をして声をかけます。たとえば、朝、起きて来ることや、朝ご飯を食べること、そんなあたりまえの日常に対してです。

強化としてのフィードバックは、行動分析学に基づいています。その行動の出現頻度を高めるためにフィードバックします。適切な行動がなされたあとは、すぐに「それいいね」っとフィードバックすることです。

私たちは常に何かしらの行動をしています。基本それらはすべて適切な行動です。私は、障がいのある人が日中に活動する事業所を経営しています。そこでは創作活動や生産活動があり、障がいのある利用者の皆さんは、その活動に参加します。支援者の中には、利用者は活動に参加するのがあたりまえだとか、カリキュラムだからやらなければいけないと思っている人もいます。しかしそれは間違いです。普通に活動しているということは、それだけで素晴らしいことでありがたいことです。だから私は常にフィードバックをしています。

たとえば、事務室からトイレに行くときは、その周囲にいる人すべてにフィードバックします。絵を描いている人には「できあがりが楽しみだね」、アクセサリーを作っている人には「完成したらつけてみたいなぁ」、軽作業をしている人には「細かいですねぇ、目、疲れませんか?」、人によっては、離れたところから私を見ている人がいます、そういうときは、ニコッとほほえんだり、親指を立ててグッド!を作ったりします。

私は、利用者の皆さんが、毎日、事業所に来てくれること、私に好意を示してくれることにとても感謝をしています。そこで私は、事業所に来ていつものようにすごしてくれる利用者に感謝の言葉をかけたりそれを態度で伝えます。だから、一日に何回も何十回も、その瞬間にフィードバックをしています。

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